「博多 一風堂」など、日本のラーメン界を牽引してきた河原成美さん。2018年に経営の第一線から身を引くという河原さんは、どのような人物に「一風堂を継いでもらいたい」と考えているのだろうか? [嶋田淑之,Business Media 誠]
河原さんのこの確信は、ニューヨーク店での成功によって裏打ちされているようだ。同店は「行列のできる店」として知られており、これは海外ではまれな出来事と言っていい。
「ニューヨークのイーストビレッジに出店しているんですが、驚いたことに客層が日本と同じなんですよ」
もちろん、日本のラーメンフリークがたくさん渡米したということではない。現地の米国人のお客さんたちが訪れ、しかも、日本でのお客さんと同様の属性を有しているということだ。
「日本での一風堂のお客さんたちには、『収入が多い』『品が良い』『穏やか』という特徴があります。年代的には20~30代が中心で、男性65%、女性35%くらいの比率です。ニューヨークのお客さんたちが、まさに、そういう層の人たちなのです」
ちなみに、このニューヨーク店では、ラーメン一杯13ドルという日本よりも高い価格設定。チップ制の米国では、これはかなり高めの設定といえる。フランスのミシュランと並んで世界的に著名な飲食店ランキング本『ザガット・サーベイ2009』のニューヨーク版にも、同店は取り上げられ、高得点を与えられた。
経営という視点では、どれくらい成功しているのだろうか?
「1日当たり500人~600人が来店してくださっているので、日本での一風堂の繁盛店とほぼ同じレベルですね。年間延べ21万人、年商4億5000万円ほどです」
まもなく開店するシンガポール店も、中心街オーチャード通りのホテル「メリタス・マンダリン」の飲食店街に立地する。ラーメン一杯は15シンガポールドル(約1000円)で、やはり日本より高い価格設定となる。立地といい価格といいハイエンド志向であることは間違いない。
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~「博多 一風堂」河原成美物語6 世界戦略の成算は? に続く~
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