さて、今日は、戦略をまた別の角度から見ていく試みをしようと思います。なるべくカタカナを使わず、それでもカタカナを交えつつご説明しようと思います。
何度も書いていますが、戦略の論点は結局、リソース配分とポジショニングの問題に帰結します。それはどうして?というのも、何度か書いたように思います。
で、今日は、その優しい説明を試みてみます。
一昔前、戦略というのは「やらないことを決めること」というふうにおっしゃる人がたくさんいました。
まあ、結果的にはそりゃそーなんですが。
本質的な視点から言いますと、大事なことを決めて、それに従った、内部環境の使い方、外部環境への作用の仕方を決めればいいのです。
会社が大事と思うことはなんですか?
それは、それぞれの会社の、経営者のレベルによって、違っていいと思います。すごく長期的に、社会をこうしていきたいんだ!という非常に高い理想を持っているのなら、それはそれでいいのです。それが大事なことです。
時価総額100兆円が大事だ!というなら、それはそれでいいのです。
明日、食っていくことが大事だ!でもいいと思います。
潰れないことが大事だ!でもよいのです。
変に、ビジョンがどうとか、こだわる必要はないと思います。時系列的な感覚も、なんでもいいと思います。企業のあり方によって、それは様々です。ただ、お金が尽きると一旦、ゲームオーバーということだけは決まっています。
お金を増やすことが目的でもいいし、お金は手段と割り切りつつ、外部の変革を大事にする社会起業でもどちらでもいいのです。
これは人のありようの多様性と同じだと思います。
家庭を作ることが大事だ!でもいいのです。仕事で出世することが大事だ!でもいいのです。
何が一番大事なのか?それを自問自答してください。
そして、その大事なものを守るというか、大事なことを実現するというか、そういうためには、自分というリソースを使わないといけませんね。そして、自分ができることは限られています。そして、外部に作用しないといけません。他にも大事なことを持っている企業がいるからです。
ディフェンシブな姿勢とオフェンシブな姿勢がありえますね。どっちでもいいのです。既に築き上げた資産の上に成り立っている大企業は、ディフェンシブでしょうし、ベンチャーはオフェンシブなことが多いでしょう。
内部で大事なことのほうが優位な会社もあるし、外部で大事なことのほうが優位の会社もあるでしょう。
それはそれでいいのです。
その大事なことを守るため、実現するために自分のリソースをどう使うのか?
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。