最近は、特産品を作って、ブランド化だ!といった無責任なお話しは減りつつあります。ブランドって何なのでしょうね、というのをつらつらと書いてみようと思います。
「地方自治体のブランド創出」とか、そういうことをやっている友人がいます。彼はバリバリのコンサルタントで、全国を飛び回る毎日を送っているそうで。
その彼に、「市町村のブランド作り」みたいな資料を見せてもらいまして。思ったこととしては、地域商品のブランド化から入ったほうが、多くの人にはわかりやすいんだろうなあ、ということでした。
特産品とか、そういうものですね・・・。でも、本質的にその地域って何?みたいなお話しから入るやり方でも、それなりに地方自治体の関心を集めるパッケージができたらいいなあ、と思いました。
一時期、「おニャン子クラブ」や「AKB48」のプロデューサーで有名な秋元康さんが、地方ごとにテーマソングを作る、というのを、NHKの衛星の番組か何かでやっていました。それも、商品から入っていくやり方に近いですよね。どうしても、そういうわかりやすさから入るほうが、世の中的な「受け」から考えれば、早いですよね。
でも、多分、本質的に、その地域自体をブランド化していくことにつながる活動になる可能性は低いんじゃないかな、と思うわけです。
私の独断と偏見で言いますと、「銀座」というと、「大人の色気のある街」みたいなイメージです。それで、ちょっと見栄を張って、女の子と遊びに行く時には、銀座に行ったりします。やや恥ずかしいですが・・・。
「新橋」というと、「中年サラリーマンが飲んでる街」みたいなイメージです。ちょっとおじさんに差し掛かった人々と飲むときは、なんとなく新橋のお店です・・・。銀座と新橋は本当にお隣の街なんですけどね・・・。
私は新橋は好きではないですけど、おそらく、「おじさんたち」はたまらなく好きなのではないかな?、と。「自分にぴったりだ!」と、言葉に出すと恥ずかしいけど、無意識的には、俺は新橋で飲んでるサラリーマンだ、文句あるか?というセルフイメージに満足しているのではないかな、と。
当然、それぞれの地域は、既に色を持っています。それを本質的に変えていくことは難しいでしょう。ただ、それを前提とした上で、しっかりとした、その地域の特性を概念レベルで明確化し、その上で「住みたい人」、「訪れたい人」、「売れるモノ」を作り出すことは、それなりにできるんではないかな、と思います。
前にも書きましたが、内部からの自己認識はできません。認識には必ず部外者が必要です。アインシュタインも、ある次元で生じている問題は、同じ次元からの観測では解に辿り着けず、違う次元からの観測によってしか解が得られない、と主張しています。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。