最近問い合わせが増えている新型インフルエンザ対策の中でも、特に急務とされる「休業ルール」と「賃金の支払い」に関するガイドラインをご紹介してみます。
・働けないのだからと b)感染疑い社員 までも「無給」にできるのか
・有給休暇を持っていない社員の出社を管理できるのか
この点については、労働基準法(休業、傷病の項)、労働安全衛生法(パンデミック時の出社強制に必要な環境対策)、派遣法(派遣社員の出社停止に関する合意他)などに基づいて会社としての判断が求められます。
尚、就業規則や休業規程を改訂せずに、b)感染疑い社員を無給休業または賃金の60%保証での休業にすることは、現行法令(特に民法)の観点からかなり難しいと考えられます。
背景を簡単にまとめると、簡易検査では新型か季節性かの判断がつかないため、感染症予防法での休業指示の根拠が弱くなっているという現状があります。
詳細な理由としては、厚生労働省がPCR検査を無くして全てインフルエンザの簡易検査に切り替える方針を持っていることと、蔓延しているインフルエンザが現状では新型と季節性が混在しており、割合として新型が多いという状況のため、新型であれば感染症予防法によって出勤停止措置を考えられるけれども、季節性インフルエンザの感染者との切り分けが不透明になっているという矛盾があります。
※感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律(法律第三十号), 平成20年5月2日 官報号外第91号
対策の詳細については、企業の規模、事業内容で異なるため、ここでは上記ガイドラインの紹介でまとめておきたいと思います。いくつかの人事系雑誌等で就業規則のサンプルが公開されていることもありましたが、現実的な運用レベルに耐えうるものなのかは若干疑問も残ります。
新型インフルエンザ対策に必要な労務管理手法及び規程見直しについては、業種・業界やBtoB・BtoCの違いなど様々なケースにより内容が大分異なるため、自社にあったものを作成する必要があります。
※明確な基準が示されていないとのご指摘により「無給休業のリスク」に関するコラムを追記しました。企業毎の人事管理に対するスタンスや内部留保、社員数による影響などを考えると、明確な数値での提示は企業毎にかなり異なるため、本コラムは概要のみの掲載となっています(9月4日追記)。
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