日本の『借金時計』の正しい見方!

2009.07.23

ライフ・ソーシャル

日本の『借金時計』の正しい見方!

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

『借金時計』が財務省のホームページに載って話題になったのは2年前の夏である。今年の夏の総選挙前に、もう一度、眺めて・・・いろいろ考えてみた。

さすがに、放送局や広告代理店だけでなく、TOYOTAまで赤字続きなのだから、マスコミも言うところの『100年に一度の危機』のような気がしている。でも、みんなどうしていいかわからない。だから、『よくある危機』のときと同じように日常的な対応をするしかない。「わけわからんけど、ええかげんにせぇよなんだけど、じっとするしかない」のである。

でも待てよ・・・。「いつもと同じ」でいいのか?親父やお袋に聞いたって『100年に一度の危機』だもの、誰もわかるはずがない。現代経営学の父と呼ばれているピーター・ドラッカーさんならこう言ってくれるはずだ『大きな変化が起きたときに最も危険なことは、「変化そのものではなく」「今までと同じ方法で行動する」ことである』と。

いい加減な国の借金は、今日も、我々の預金や未来が充てにされて増え続けている。
それでもどこかで「お金」は余っていて、次の金融取引は、我々のフトコロ具合を完全無視して動いている。
100年に一度でも何でも、「お金」は、毎日、リアルに動いているのである。
「お金」は、毎日、動くから、「お金という価値」になるのである。

我々が、そのことに気づいて、考え、動き出すことが、『100年に一度の危機』の正しい対処方法ではないかと思うわけである。「わけわからんけど、ええかげんにせぇよ!だから、私は、お金と一緒に、リアルに動くぞ!」が、「どうしていいかわからない」を、きっと払拭するはずである。

お金と一緒に、リアルに動けば・・・「お金」に関して生まれる問題には、「お金」で解決ではない問題が含まれていることに気づく。
机上のお金を右から左へ動かしていても、そこには、悲喜こもごもな、人間の複雑な問題を含んで動いていることになる。その総量が、動いているお金以上の換算になるから、誰も、制御ができなくなる。
大きくなりすぎた組織のお金の問題は、誰も、わからないのである。

1年で日本の借金は、29兆円膨らむ。その額を、実感できるヒトなどいない。
どんなに賢くても、どんなに権力を持っていても、そのお金の実感を持てるヒトなどいない。
それが、自分のお金ではないから、、、なおさらである。
きっと、わかったふりして「みんなどうしていいのかわからない」のである。
わかったとしても、その策を実行するためには、大きくなりすぎた組織を動かさなくてはならない。「お金」以外のパワーで動かさなくてはならない。大変だ。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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