自分の中には価値創造する回路がある。その回路空間のふくらみこそ仕事のふくらみをつくる
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前回の記事では、
仕事とはインプット→スループット→アウトプットのプロセスで価値を創造していく行為だと説明しました。
そして自分が持つ諸々の能力や意志はその価値創造回路みたいなものだとも説明しました。
きょうはその回路をさらに詳しくみていきます。
◆「みて」→「かんがえて」→「かく」の流れ
まず、価値創造回路を上から平面的にみたのが下図です。
自分の中の回路は、おおむね3つの部屋に分かれて広がっていると私はみます。
(といっても実際はこういう間仕切りはなく能力として渾然一体としています)
さて、上流では主に、これから仕事を成そうとするモノやコトの情報や状況を
自分の回路に取り込むための能力が使われます。
例えば、私たちが何かモノを加工する場合、まず、原材料になる素材を入手します。
そして、その素材の状態を「みたり」、「ふれたり」して、
どういう加工方法、工程がいいかの判断材料にします。
また、お客さんがどういうモノに仕上げてほしいかの要望を「きき」ます。
一方、自分が何か知的業務で情報を加工する場合には、
やはり素材となる基情報を「よんだり」「きいたり」して、
どういう情報にまとめていくかの材料にします。
このように、仕事という価値創造は、まず、認知や摂取、受信からスタートします。
次に、その自分が取り込んだものを「わかったり」、「かんがえたり」、
そして「きめたり」、「おぼえたり」するという中流過程があります。
わかりやすくいえば、理解や編集、決定、記憶のステップです。
そして、下流過程として、「かく」「いう」「だす」「つくる」などの、
製作、表現、発信があります。
ここで自分の回路から出されたものが、
アウトプットとして他人の目に触れる形になります。
なお、ここで上流、中流、下流といっていますが、
回路の中でさまざまな能力がはたらく流れは、上流から下流への単調な一方通行ではなく、複雑に行ったり来たりするのが常です。
◆「見る」と「観る」の深さの違い
以上が、自分の中の価値創造回路を上から平面的にみたものです。
では次に、この回路を斜めから眺め、立体的にとらえていきましょう。
この図のエッセンスは、
私たちの「みる」や「かんがえる」といった行為には深さがあるということです。
例えば、私たちが何かを「みる」場合、
単純に目に映る対象を「見る」こともあるし、
その目に映る対象の奥に、何かの原理や原則を「観る」こともあります。
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【仕事の基本概念を持つ】
2009.08.20
2009.07.26
2009.07.18
2009.07.11
2009.07.08
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。