【仕事の基本概念シリーズ1】私たちは「仕事」という単語をいろいろな意味で使う。仕事とは、その人の能力・関心・価値を表現する営みである。
1番めの男は、永遠に仕事を「作業」として繰り返す生き方です。
2番めの男は、仕事を「稼業」としてとらえる。
彼の頭の中にあるのは常に「もっと割りのいい仕事はないか」でしょう。
そして3番めの男は、仕事を「使命」として感じてやっている。
彼の働く意識は大聖堂建設のため、町のためという大目的に向いていて、
おそらく、そのときたまたまレンガ積みという仕事に就いていただけかもしれません。
彼は、その後どんな仕事に就いたとしても、
それが自分の思う大目的の下の仕事であれば、それを楽しむことのできる人間です。
私たちは、初対面の人間に出会ったとき「どんなお仕事をされているのですか?」と
よく質問します。
この質問は、その人物を知るためには、とてもよいきっかけを与えてくれる。
なぜなら、仕事は多くの場合、
・自分の能力
・自分の興味・関心
・自分の信ずる価値
を表明・表現する活動だからです。
月々日々、何十年とやっていく仕事を、単なる繰り返しの「作業」ととらえる人は、
おそらく自分自身の能力、興味・関心、価値をさげすんでいる人です。
また、仕事を生活維持のためだけの「稼業」ととらえる人も、
自分の可能性に対して制限を設けている人です。
仕事を、希望や夢、志、ラフワーク、道といったものにつなげている人は、幸せな人です。
そうすることによってのみ、自分の能力は予想を超えて大きく開き、
興味・関心は無尽蔵に湧き出し、
自分の発した価値と共鳴してくれる人びとと出会えるからです。
*なお、詳細の議論は、拙著『“働く”をじっくりみつめなおすための18講義』でやっています。
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【仕事の基本概念を持つ】
2009.08.20
2009.07.26
2009.07.18
2009.07.11
2009.07.08
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。