今回は「意図的な影響」についてです。 意図的な影響の場合、 影響の与え手には、何らかの「目標」(意図)があって、 受け手に影響を与えようとします。
この時、与え手が持つ「目標」(意図)を受け手に
・わかるように見せる(明示的)
・わからないようにする(隠ぺい的)
という目標の見せ方の違いで、
影響力を2つに細分することができます。
目標を明示して意図的に影響を与えることは、
私たちが日常的にやってることですね。
(友人に)「荷物を運んでくれるかな?」・・・依頼
(部下に)「明日までに企画書を作成するように」・・・指示
など。
一方、「隠ぺい的」な影響とは、
受け手が気づかないうちに、
与え手の望むような態度の変化や行動を
取らされてしまうことですから、
「策略的」
な意味合いがありますね。
直截に言ってしまえば、「相手をだます」こと。
(行き過ぎると「犯罪」になりますね)
実は、
「相手を思いのままに動かす法」
みたいな傲慢系の本で紹介されている
「説得テクニック」
の多くは、この「隠ぺい的影響力」の使い方です。
さて、この隠ぺい的影響力の行使方法として、
『影響力を解剖する』では、
・テクニカルな依頼法
・議題のコントロール
・情報操作
・環境操作
などがあると述べられています。
[テクニカルな依頼法]
「テクニカルな依頼法」は、
『影響力の武器』にもさまざま紹介されています。
例えば、最初に断られるのを承知で、
大きめの依頼(例:10万円貸して!)をしておいて、次に、
承諾させたい真の依頼(例:じゃあ、1万円でいいから貸して!)
をするテクニックがあります。
「ドア・イン・ザ・フェイス」
と呼ばれるものです。
これは、依頼する側が意図的に譲歩(10万円→1万円)することで、
相手にも「こちらも譲歩しないと悪いな」と思わせることによって、
相手からの承諾を引き出す方法。
こうしたテクニックは、
何段階かのコミュニケーションが行われるので、
「段階的依頼法」
と呼ばれています。
セールスマンが頻繁に活用しているテクニックですよ。
詳しくは、『影響力の武器』をご覧になることをお勧めします。
[議題のコントロール]
「議題のコントロールは、
会議を開く際に、あらかじめ議題を選んでおくことによって、
やっかいな話になりそうな議題を避けたり、
問題の起きないように議題の順番づけをすることです。
[情報操作]
「情報操作」は、
自分に都合のよい情報だけを伝えたり、逆に
都合の悪い情報は流さない、といった行動のこと。
「広告」の信頼性が疑われるのは、
消費者が、広告における「情報操作」のにおいを
かぎとってしまうことにあると言えます。
[環境操作]
次のページ「環境操作」
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2007.08.17
2007.08.20
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。