影響力を解剖する(3)無意図的影響力-2

2007.08.15

ライフ・ソーシャル

影響力を解剖する(3)無意図的影響力-2

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「人に影響を与えること」は、大きくは 「意図的」と「無意図的」 に分けることができるということでした。 そして、無意図的な影響力は、 『影響力を解剖する』 では、次の6種類が挙げられています。

周りが力を出してくれるから、
自分くらい手を抜いても大丈夫だろうと
考えてしまうのですね。
(こんな人が多かったら負け確実・・・)

私の勝手な推測ですが、綱引きの勝敗は、

・どっちが力持ちの人間が多かったか

ということではなく、

・どっちが「社会的手抜き」をする人が多かったか

で決まるんじゃないかと思います。

なお、会社の会議などにおいても、
この社会的手抜きは発生しています。

ブレストみたいにある程度全員発言を義務付けないと、
他人にしゃべらせといて、

「自分はただ聞いてることにしよう」

と考える人が発生してしまいます。

『影響力を解剖する』では、
社会的手抜きを防ぐ方法として次の3点が紹介されています。

(1)単純作業ではなく、挑戦的な多少難しい仕事にする
(2)各人に少しずつ異なる作業を与える
(3)各人の責任の分担を明らかにしておく

[漏れ聞き効果]

電車に乗っていて

「○○銀行は危ないんじゃないの」

と話しているのをたまたま聞いて、なんとなく不安になり、
口座から金を引き出した。

こうした、いわゆる「うわさ」を偶然聞いたことで、
自分の行動に変化が生じてしまうのが

「漏れ聞き効果」

です。

なぜ偶然聞いた話に影響を受けてしまうのでしょうか。
その理由として、次の3つが挙げられています。

(1)偶然に会話に接するので、面と向かって話されるときよりも
   受け手に構えが生じにくい
(2)聞こうと思って会話に接したわけではないので、
   その内容から受ける衝撃が大きいこと
(3)会話をしている人が受け手に影響を及ぼそうという意図が
   ない(ように見える)ので、受け手に反発が生じにくい

考えてみれば、「ブログ」は、

「漏れ聞き効果」

が高い媒体ですね。

個人発ながら、「口コミ」と異なり、
不特定多数に向けられた情報発信です。

とはいえ、偶然に目にする機会がありますし、
作為的なものも増えてきたとはいえ、基本的には自然な内容
ですので。

ブログの影響力が増しているのもむべなるかな、です。

『影響力を解剖する』
(今井芳昭著、福村出版)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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