商社マン しんちゃん。 走る! (6)

2009.06.01

営業・マーケティング

商社マン しんちゃん。 走る! (6)

三宅 信一郎
株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

~高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ~ 1980年~90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。

それと、もうひとつ重要なことがあんねんけど。 
自分聞く気ある?  酔うてない? 大丈夫?」

「え?ええ、もちろんです! 聞かせてください!」

< このマイクさん、何者やろ、よう知っとるし、
  なんや説得力あるわなーという気がする・・・ >

マイクは、宮田の顔をじっと見つめて、さらに進めた。

「商社マンちゅうのはな、事業家の精神も必要やねん」

「事業家???」

「そや、事業家や。 
マーケティング力とあわせて一言で言うと、商社マンは
ビジネスプロデューサーであれっちゅうことかいな。
ビジネスクリエーターとも言える」

宮田は意外であった。

宮田が思っていたのは、商社マンというのは営業マンと
ほぼ同義語であった。 
ただ、違いは、皆、英語など外国語がそれなりにしゃべれて、
海外駐在期間が少なからずあって、活動が日本のみならず、
グローバルなだけかと思っていた。

< 皆がそれぞれ、マーケティング活動を行うっちゅのんは
  具体的にはどういうこっちゃねん? >

「マイクさん。マーケティングって一言でいって、
いったい何なんですかね?」

宮田は尋ねた。

「一言でいうんは難しいけどなー・・・
まー、敢えていうとマーケティングちゅうもんは
(成功する確立の高い、売れる仕組み)を作る行為と
言えるかもしれへんねー。 

営業行為っちゅうのはやな。 その仕組み、あるいは
仕掛けに乗って、契約という最後の聖域での儀式を滞りなく
行うことやねんな。

この契約する瞬間を(真実の瞬間)と表現する学者もおる。

何故真実の瞬間というかというと、商品やサービスちゅう
もんは、契約されへん限り、その価値が市場に向けて認知
されたり確定したりせーへんやろ。
契約ちゅうもんは、その商品やサービスの価値の本質、これを
真実と考えると、それを確定してくれて、市場に認知される
様に送りだしてくれるわけや。

契約っちゅう行為はな。
商品やサービスにとって、その価値が認められて
世に出る大事な瞬間ともいえまんねん。

この真実の瞬間という儀式を無事クローズするのも
とても大変で大事なことやけど、そこに向けて
どんだけ効率ようその儀式へのお膳立てが出来るかどうか
が勝負や。

この確率の高こうて売れる仕組み作りと真実の瞬間を
まとめあげる能力が商社マンで生き残れるかどうかの
最大のポイントなんやと思うな わてはな。

誰かて楽をして物やサービスを売りたいやろが? 

お客さんにぺこぺこし、競合と同じようにその他大勢の
ひとつとして扱われてやで、受注できるかどうかも
皆目わからんなかで、先の見えーへん状態であくせく
競争しながらモノ売りたないやろう?」

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三宅 信一郎

株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

事業力強化・新規事業開発・創業支援コンサルタント 自動認識基本技術者 (JAISA:(社)日本自動認識システム協会)認定

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