「今年の新入社員はイマイチだ・・」「ウチの採用はどうなってんの?」「ホント人事部は分かってないよな・・・。」そんな声が聞こえて来る季節です。 では、新入社員が期待はずれになってしまう最大の原因は?
「今年の新入社員はイマイチだ・・」「ウチの採用はどうなってんの?」「ホント人事部は分かってないよな・・・。」そんな声が聞こえて来る季節です。
そう言いたくなる気持ちも分かるのですが、そんな見方をしてしまうときには、ふと新入社員の視点にたって自分たちを見てみたいものだと思います。採用した人事部や採用担当のせいにしていても始まりませんし、採用された新入社員達をイマイチだと決め付けていても何も変わりません。
新入社員が期待はずれになってしまう最大の原因は、こっちが彼らにとって期待はずれだからだと思います。こっちというのは、受け入れた会社や組織や上司や先輩のこと。新入社員にしてみれば、期待に胸を膨らませて入ってきたのに、その期待とは全然違う状態であったり、期待に応えてくれそうになかったりすると、頑張る気も失せる。それが期待はずれな言動をさせている原因だと思うわけです。
最たるものが組織力の崩れ。チーム(明確にされた目的に向かって各々が役割を果たすだけでなく、シナジーを発揮している集団)というよりは、グループ(目的を曖昧にしたまま、それぞれが自分の範囲の中でのみ役割を果たしている集団)と言った方がよい組織力の低い会社・部署に入ったら、普通は自分の居場所を見つけるのに一苦労で、誰にどう声をかけていいかも分からないし、何よりもユルイ組織だから抜けやすい(帰りやすいし、辞めやすい)。
チームとグループは意味が違うことを理解し、「チーム」を作ってその一員である状態を作ってから期待をしないと、期待には応えてくれません。マンションの管理組合とか出来たてのサークルみたいな、緩い「グループ」の一員にあれをやってほしい、これが出来て欲しいと期待しても無理なのと同じです。組織が「チーム」になっていないから、彼らは与えられた仕事を意気に感じないし、力を出し切ろうとしないし、先輩から影響を受けよう、吸収しようとしない訳です。(先輩達同士がそうでないから、その真似をしているのです。)
仕事や部署の理想形・目標を明確にする(ビジョン)、皆で大切にするルール・行動・言葉を決める(バリュー)、組織全体の動向や状況を分かりやすく共有する(オープンブック)、何でも言い合える関係と相互理解がある(オープンコミュニケーション)は、チームビルディングの基本で、これらをマネジャー中心にしっかり創らなければなりません。そうでない組織は、よっぽど立派な新人(=緩い組織が彼を放置していても、勝手に頑張って育っていく人)でなければ、大体「期待はずれ」になっているのだと思います。
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。