【弊著・予告編】哲学者の三木清は、「成功は量的な相対評価に過ぎず、一方、幸福はオリジナルな個性である」と喝破した。過度な競争と捨てられない成功崇拝が、“職のサスティナビリティ”を脅かす。
これが過度に過酷にはたらいているのが、昨今の仕事現場です。
しかし、この当てる物差しの尺度なんていうものは、
たいていひどく一般化されたもので、本人の個性価値・人間性を反映するものとは程遠い。
他方、「幸福」を考えるのは、『器モデル』です。
仕事の幸福は、まず、自分の「器」(ポット)をこしらえることから始まります。
器の素材や形状は、自分なりでいい。
それは、仕事人生に対する、自分の個性・美意識・価値観の表れだから。
したがって、器をこしらえる活動自体もまた楽しい。
また、器の大きさは、自分の心構え、精神的な懐、視野、世界観といったものです。
そして、仕事そのもの、および仕事から得られるもので、その器を満たしていく。
器の1割とか2割までしか貯まってこなければ、もっと頑張ろうと思えばいいし、
いっぱいに満ちてくれば、もっと器を大きくしようとすればよい。
そして同時に、器の中身を、それが満ちていても満ちていなくても、
他者に注いでやることはまたひとつの喜びとなる。
また、他人がどんな器をこしらえているかは、啓発材料にはするけれども、
それと比較して自分の出来栄えはどうだとかは気にしない。
さらに、「健全な志」と、「野心・我欲」の区別はつきにくいものですが、
前者の成長意欲は器を大きくしようとするものであり、
後者の執着心は、器を大きくするというより、器のどこかに穴かヒビ割れを起こすのでしょう。
入れても入れても、決して貯まることがない。
・・・と、まぁ、こんな思考モデルを提示しながら、
なにも他人との比較や世間体を気にして、あくせく競争(狂走)の歯車に乗らず、
“自分なり”キャリアでいいんじゃないですか、
そんなに“成功の”キャリアがいいんですか、と読者に問うていきます。
さて、
弊著の予告編は、次回を最終回とし、
きょう書けなかった2番目の要点「心のマスターとなれ」について発信しようと思います。
■付録資料
本著作のまえがきと目次、18枚のメインスライドを収めたドキュメントを
ホワイトペーパーとしてアップしてあります。
村山昇最新著サマリー
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新著サマリー
2007.08.07
2007.07.27
2007.07.21
2007.07.14
2007.07.11
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。