これまで、様々な仮説構築の技術について述べてきました。 簡単に、オーバービューしてみますね。
ここまでが帰納法による仮説構築アプローチですね。
(3)ここで見出された仮説をルール化(汎用化)する
(4)そのルールを、様々な状況に適応し、仮説を構築する
この後半のプロセスは演繹法を用いています。
<事例>
(観察事項1)A社は業績見込みを上方修正して、株価が上昇した
(観察事項2)B社は決算発表で業績が伸び、株価を大きく上げた
(観察事項3)業績がヨコバイのC社には、株価の変動はなかった
→ (仮説)業績が伸びると、株価が上がる (帰納法)
(観察事項4)D社の今期業績は大きく向上する見込みである
+
(一般ルール)業績が伸びると、株価が上がる (帰納法プロセスの結論より)
→ (仮説)D社の株価は上昇する (演繹法)
→ Action 故に、今のうちにD社の株を買っておこう!
ってな具合、、、
演繹法と帰納法を組み合わせることで、様々な状況で仮説構築が可能となるはずです。
■ 「Quick & Dirty」とは言うけれど、、、
うしてもスピードを求めると、精緻さを犠牲にせざるを得ませんよね。果たして、正確ではない仮説構築で良いのか?しかし、それで良いんです。
仮説構築は必ずしも「正確さ」を追求しないことがカギだと思っています。
私は、仮説は段階的に磨き上げていくものだと割り切っています。
初期仮説は、本当に「Dirty」に仕上げる。
しかし、それをキチンと検証して、ブラッシュアップを図る、、、
そんな繰り返しで、仮説はどんどん磨かれ、精緻さを増していく。
これが仮説構築のあるべきプロセスだと思うのですね。
また、仮に間違った仮説をもとに意思決定をしてしまったとしても、
しっかり前提となっている仮説を組織で共有していれば、
軌道修正は迅速に行えるはずですね。
誰にもわからないんだから「仮説」を立てても意味がない、、、
それは間違っていると思うのです。
やはり、何と言っても仮説構築には「Quick & Dirty」が必要なんですよね!
■ 仮説構築の組織学習
企業は組織で動いています。したがって、仮説構築の技術も個人的に磨くだけではなく、
組織スキルとして定着させたいところです。
そのためには、仮説を構築するための仕組みが必要となります。
・初期仮説共有のしくみ
既存情報を体系的に蓄積するシステム
それをもとに初期仮説を検討する組織機能
・情報収集のしくみ
情報収集を企画する組織機能
情報収集部隊(営業部など)への依頼機能
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仮説構築の技術
2009.04.13
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