今回は帰納法についてです。 以前書いたように、帰納法はいくつかのサンプルとなる情報をもとに、共通するルールを見出して、結論(仮説)を導出する考え方です。
■ ということは「サンプル」はできるだけたくさん欲しい!
情報は多ければ多い方が良いのでしょうか?
それでは、以前お話しした「Quick & Dirty」の方針に反します。
ここでは、やっぱり情報コレクターになるな!と申し上げたいところです。
せっかく仮説思考をとろうとしているのに、
片っぱしからサンプルをたくさん集めていたのでは、本末転倒です。
そこで、まずは「情報収集を禁止」しましょう!(笑)
極端な言い方ですけどね、、、(^^)
まずは、既知の情報だけでも「一次仮説」を構築するには十分です。
皆さん、一応ビジネスの現場にいるわけですからね~
そして、一次仮説オプションがいくつか抽出されたら、
その絞り込みをするために必要な論点を考えましょう。
ここで言う論点とは「仮説を絞るために知りたいこと」、
つまり「必要な情報は何か?」ということですね。
ちゃんと、今入手すべき情報を明らかにしないと生産性は上がりませんよね。
■ 情報収集論点を整理する
必要な情報の構造を明らかにするのには「イシューツリー」が有効です。
見た目はロジックツリーと同じですが、
ロジックツリーが要素分解を目的としていたのに対し、
イシューツリーは仮説を論証するために必要な論点で構成しています。
(例)
仮説「わが社は新規事業Xを立ち上げるべき」
→(イシュー1)わが社には新たな事業が必要か?
→(イシュー2)X市場は魅力的か?
→(イシュー3)X市場の既存競合に勝てそうか?
こんな具合に、明らかにするべきことをブレイクダウンします。
そして、さらにサブ論点に分解できそうです。
(イシュー2)X市場は魅力的
→(サブイシュー1)わが社にとって十分な市場規模か?
→(サブイシュー2)今後の市場成長性が見込めるか?
こうやってツリー構造でイシューが構成されていきます。
■ 必要条件と十分条件
仮説が正しいと判断する材料には「必要条件」と「十分条件」があり、
その点も留意しておくとよいでしょう。
必要条件:条件Xが成り立たなければ、結果Yは絶対に成り立たない
つまり、Xが成立しても、Yは成り立つかもしれないし、
成り立たないかもしれないのです。
十分条件:条件Xさえ成り立てば、結果Yが必ず成り立つ
こちらは逆に、Xが成立しなくても、Yが成り立つ可能性を残しています。
つまり、仮説を論証するためには、この2つを組み合わせて、
「必要十分条件」を満たす情報を入手する必要があるわけですね。
ただ、一気に正解を求めるというスタンスではなく、
少しづつ仮説を絞り込んでいくという気持ちでないと、
また、膨大な情報コレクターになってしまいますので、ご注意を!(^^)
「帰納法」は分析者の視点によって大きく解釈が異なります。
まさに、分析者の手腕が問われる考え方ですね。
皆さん、腕を磨きましょうね。(^^)
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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仮説構築の技術
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