「新聞はこれからも必要だと思う人は90%」という結果が、第61回新聞週間を前に行った全国世論調査(面接方式)において出たというニュースが流れたのは、昨年の10月のことだ。確かに、報道された。 しかし、そのニュースは、読売オンラインで、現在、なかったものにされている。
先月、「ネット通販での医薬品販売規制強化」のニュースが世間を賑わしたのを覚えている方も多いと思う。
厚生労働省が、インターネットを含む通信販売では、リスクの低い医薬品の販売のみに限定されることなどを定めた「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」を2月6日に公布。今年の6月からは、ビタミン剤や消化整腸剤など一部の薬品を除いて、ネットや通販では医薬品が買えなくなることに対して、ネット販売業者や通販業者から異論が出ているという内容のものなのだが・・・。
どう贔屓目に見ても、新聞の報道は、ネット販売業者の方を悪として捉えている。この問題の対立の構図はきわめて明解で、薬局店や薬剤師の団体が厚労省に圧力をかけてネット・通販への規制をさせたもの。医師会だの看護協会だの薬剤師会といった団体は自民党を支援しており、自民党政府としては彼らが有力な票田なので要求は無視できない。よって、自民党よりの新聞は、「ネット=悪」の側にまわす。ネット購入したクスリで異常が出たなどの小さな告発記事を、このタイミングに流すことに躍起になる。
読売オンラインに掲載されている『楽天・三木谷氏「結論ありきでは」』というニュースは、・・・
一方、全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかりさんは「障害を持つ方は本来、薬のリスクが高いはずで、医療機関で専門家と接点を持って購入するのが望ましいのではないか。ネットで買うことの危うさも知ってほしい」と話した。
・・と、絞めるくくられている。記事の構成と内容に、厚生労働省寄りの意図が働いているのは隠しきれていない。
私事であるが・・一昨年の末、某新聞社が新聞の朝刊に折り込む地域密着のフリーペーパーのようなものを発行したいというので相談に乗ったことがある。会議に行ったら、そのフリーペーパー発行の責任者は、団塊世代の元編集員。どんな内容にしたいのか、その意図はあるのかと聞くと・・・いまは、フリーペーパーが盛り上がっているから・・・新聞社も、そういうものをしなくちゃいけないようだから。そう言ってる割には、その会議に、地元で発行されているフリーペーパーを持ってきているものすらいない。誰も、地元の競合フリーペーパーをベンチマークしていない。危機感ゼロ。まことに残念な気持ちになった経験がある。
その会議で、明らかに感じたのは・・・
新聞社の方々の「フリーペーパー」や「インターネット」に対する蔑視である。そこで繰り広げられている情報のやりとりへの、嫌悪感である。「腐っても新聞」という、プライドである。地方ほど、こういう傾向は、強いかもしれない。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。