【弊著・予告編】能力とは、自分の内にもつ『価値創造回路』である。その回路は、平面的な広がりと、垂直的な深みによって“ふくらみ”がきまる
○能力の垂直的深み
次に、価値創造回路を斜めからながめてみると、
そこには能力の深みがみえてきます。
ざっくり図に表すと次のような感じになるでしょうか。
同じ「みる」にしても、
みえているものを「見る」ことしかできない人と、
みえないものを「観る」ことができる人と、
能力にはレベル差がある、そのことを伝えたい図です。
つまり、普通の人は、リンゴが木から落ちるのを「見る」だけですが、
独りニュートンは、そこに法則を「観た」わけです。
さて、新著では、このようなことを説明した後、
核心部分である「では、いかに私たちはこの自身の内に持つ価値創造回路の面積を広げ、
深みを増すことができるのか」というテーマに入っていきます。
それは読んでのお楽しみに・・・・
ということでもありませんが、
結論から言うと、昔からの単純な言葉に行き着きます。
―――――「好きこそものの上手なれ」。
本サイトの別記事でも触れましたが、
私たちは、チクセントミハイのいう『フロー』な状態を獲得してこそ、
その仕事を成し遂げる際に
自分の内にもつ価値創造回路は無限大にふくらみます。
その仕事(行為)自体に、無償の面白さを見出した人はぐんぐん成長します。
したがって、能力は、後天的な意志と努力で何とでもなるものだと思います。
そして、月並みではありますが、
高い目標、大いなる目的を掲げることだと思います。
山高ければ、裾野広し。
山高ければ、谷深し。
○仕事の思想
さて、最後にもうひとつ付け加えておきましょう。
「仕事の思想」についてです。
私は、仕事の思想は、何か小難しく、高尚なものだとは考えません。
「よりよき職業人」とは、あくまで「よりよき人間」にほかならないと思うからです。
したがって、
真摯でまっとうな倫理観、道徳観、ヒューマニズムをベースに仕事をすること―――
それが、もう充分な仕事の思想なのではないでしょうか。
しかし、その実、この
ごく普通に、まっとうに、ヒューマニズムに根ざして働くことが難しいがゆえに
仕事の思想なるものが高尚なものとして浮き上がるのかもしれません。
私が著書の中で紹介した仕事の思想の持ち主の一人は、
西岡常一さんです。
西岡さんは1300年ぶりといわれる法隆寺の昭和の大修理を取り仕切った
知る人ぞ知る宮大工の棟梁です。彼の言葉を紹介しますと、
「五重塔の軒を見られたらわかりますけど、
きちんと天に向かって一直線になっていますのや。
千三百年たってもその姿に乱れがないんです。
おんぼろになって建っているというんやないんですからな。
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新著サマリー
2007.08.07
2007.07.27
2007.07.21
2007.07.14
2007.07.11
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。