2007.07.05
「キャラ立ちする社員」
増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
「時代が求めるパーソナルブランド」第3弾。 企業で働く社員のパーソナルブランディングとはどういうことなのか? 単に「目立つこと」なのか、それとも漠然とした印象のことなのか? ブランド論と関連させながらパーソナルブランドの真実に迫ります。
これがシャープの企業ブランドが持つ効力であり、シャープが「携帯端末においても常に最高レベルの液晶を提供する」ことを消費者に期待させるならば、それは消費者に対する「約束」(ブランドプロミス)となる。
しかし、任天堂が携帯電話を作るといったら、どうだろう?
アップルがiPhoneを作るのだから、想像できなくもない。
と思って調べてみたら、任天堂はすでに「ゲームができる携帯電話」の特許を取得済みなのだ。
WiiやDSの商品開発力から想像すると楽しくなってくる人も多いだろう。
任天堂のブランドイメージからは、「想定外の発想」で作られた携帯端末への“期待”を抱かせてはくれるが、ブランドプロミスにはなってはいない。
さて、話を戻そう。
さきほどのA子さんは、実は任された仕事を着実にこなしながらも、カリキュラム開発でユニークなアイデアを出して、それを実現する専門家とうまく協働しながらヒットコースを生み出していたのだ。
A子さんは、良く頑張っているし、職場でもしっかりとした居場所を確保しているのだが、もしかしたら職場に溶け込みすぎているのかもしれない。
恐らく、A子さんのパーソナルブランドは、前任の上司や職場の同僚などからB氏には伝わっていなかったのだろう。
パーソナルブランディングとは、自分が他者からどのように認知されるのかをマネジメントすることである。
また、ブランドは他者評価であり、他者のマインドの中にある認知である。
実際にほとんどの場合、本来のあなたの姿と他者の認知やイメージは必ずしも一致しないであろう。
あなたにどんなに能力があり、素晴らしい成果をあげていても、それが関係する他者から認知されなければ、何もスタートしない。
周囲の人から見て、際立っていてユニークでなければブランドにはならないのである。
果たして、A子さんの仕事は、「戦うスーパー派遣OL」にとって代わられてしまうのか?
ヘッドハントされてきた新しい上司のB氏はどうか?
採用した側は、明らかにB氏のパーソナルブランドを肯定的に認識し、「ウチの大学のブランドもなんとか再生してくれるのでは」という期待を抱いている。
最近パッとしなかった大手有名大学のブランドを再生させ、経営を立て直してきた実績のインパクトは強い。
さらに、MBAホルダーで外資系のコンサルティングファーム出身というB氏の経歴も実績を保証するための役割を果たしている。
だからこそ、B氏の転職条件にはプレミアがつく。
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増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。