『2年2ヶ月』以内に変革可能な企業の条件。

2009.02.02

営業・マーケティング

『2年2ヶ月』以内に変革可能な企業の条件。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

2年と2ヶ月。約800日。 恋愛でも、ビジネスでも、その期間には、意味がありそうなのだ。気になるっ。

33年前、BMWが初めて「The Ultimate Driving Machine」のキャンペーンを打った時、
BMWのアメリカにおける輸入欧州車シェアは11位であった。今は1位である。
33年前、ペプシはコーラで二番手であった。今日、たくさんのコピーを経て尚、未だに2番手である。

ペプシのコピーは、平均して2年2ヶ月で変わる。


アメリカの平均的なCMOの在任期間も、2年2ヶ月である。
雑誌Businessweekに於ける、
平均的な企業広告キャンペーンの期間も2年2ヶ月である。

1年やって芳しい成果がなかった・・・
もう1年頑張ってみて様子を見るが・・・大きな変化が見られない。
もう1年、このままなの?・・・そろそろ、辞めどき?
「2年2ヶ月」って、ビジネスの世界でも、変化が具体的に現れる期間として説得力がありそうだ。
ダメな方向に動いたときに、恋愛も、ビジネスも、3年まで待てない。
その具体的で、物理的な時間が「2年2ヶ月」ってことなのだろう。
ちなみに、日本の内閣の平均任期(再選は2つの内閣と計算)は、「1年4ヶ月」らしい。
安倍、福田、麻生・・・・「2年2ヶ月」待てない特例の連続だ。

IBMの名経営者と言われたT.Watson Jr.氏は、
企業が永遠の存在であるために守るべき3条件として、
1.信条を持て
2.信条を守り抜け
3.それ以外のことは全て変えてしまう勇気を持て
 と遺しています。

ペプシの場合は、変わらないコカコーラに対して「変わることを信条」としているので、その戦略やキャンペーンがコロコロ変わることは良しだろう。
しかし、コロコロとトップが変わって、コロコロと企業メッセージが変わるのは、どうもいただけない。
きっと、今年はオバマ大統領誕生を受けて、「変革=チェンジ」をスローガンに掲げている企業も多いかと思う。しかし、「企業の信条」を、この機会に確認したり、語らずして、ただ「変化」を叫んでいると・・・その変革は、きっと「2年2ヶ月」を待たずに終わる。うまくいかない。

33年変わらないというBMWの「The Ultimate Driving Machine」は、ほんとシンプルだ。まさしく、「信条」だ。

真に「変化」ができる企業とは、変わらぬ「信条」がある企業である。
そういう企業には、「2年2ヶ月」以内に、きっと成功が訪れる。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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