現場コンサルティングにおきまして、プロセスマネジメントの導入・展開が最近ではホットなテーマになりつつあります。 今回は、PDCAサイクルを活用したプロセスマネジメントの具体的な手法について、船井総合研究所のコンサルタントがわかりやすく解説していく。
過去のマネジメントスタイルでは、結果分析やそのための情報集約に大量の時間を投入しており、結果的にはデスクワークが中心になっていました。
販売系の会社では、月次の実績管理がほとんどで、月末近くになると責任者の表情が暗くなったり、社員に対して詰問する姿がよく見られました。
すでに結果が固まっている段階で詰問されても、対処のしようがありませんね。
意欲の高い社員であれば、翌月の取り組みに活かすことも可能ですが、該当月においては是正不能であることは自明の理と言えます。
このような場合には詰問された社員は弁解するしかなく、結果的に「言い訳の達人」を育成しているだけのマネジメントになってしまうことがよくあります。
環境的に厳しい昨今においては、終わってから考えるというスタイルでは、成果が上げられなくなってきています。
今、要求されているのは、計画を立案し、その実行過程をあらかじめ設定した中間指標であるKPIでマネジメントし、活動内容を是正しながら初期設定のビジネスゴールへ到達していくためのマネジメントを展開していくべきなのです。
このような考え方がプロセスマネジメントの原点であり、これを展開していくに当たっては管理者に対する負担は非常に大きいものになります。
なぜならば、プロセスに対するフィードバックをすると言うことは、細かな業務に精通していなければならず、同時に部下に対する指示内容がマンネリ化しないようにしていくことが要求されるからなのです。
全ての枝葉末節業務に対して、最新情報をベースとしたフィードバックを続けることは、ほとんどの場合不可能ですね。
現場の大まかな動きは変化していなくても、細かい対応に関しては日々変化していきます。いくら優秀な管理者であっても、それを全て理解・認識して業務を遂行していくためには、プレイヤーとしての実務をやり続けるしかなくなります。
プレイングマネージャーという立場は、当然ながら自分の達成目標があり、自分自身のクライアントに対して日常業務処理をしていくために、部下に割ける時間が激減します。
本来の管理者に期待されているのは、部下を通じて成果を上げることですから、本末転倒になってしまいます。
このような状況を回避していくためには、部下に気づきを上手に与えていく技術が必要になります。コーチングという考え方は、ある部分、この負担を軽減していくための技術とお考えください。
部下が自らの問題に気づくためには、結果だけではなく、途中に振り返ることをする習慣が必要です。
それらをあらかじめ指標として設定していくことがプロセスマネジメントを実践していく上でのポイントと言えるでしょう。
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