現在、小売業では店頭価格を簡単に上げることができない状況が続いており、いよいよコスト削減できる領域が縮小しつつあります。 販促費に関しても、費用対効果を今まで以上に見ることが重要になってきました。販促業務では、販促の全体を徹底的に検証し、測定・分析・評価の一連の流れを改善していく必要があるのです。 今回は、結果を出すための販促改善方法についてわかりやすく解説していきます。
初売り以降の小売業動向を見る限り、初売りの一時的な集客増加でムードは多少よくはなりましたが、客単価減少傾向は止まらず、多くの事業者の方々が中旬以降に極めて厳しい状況に陥っています。
モノが売れていない小売業では店頭価格を簡単に上げるわけには行かない状況が続いており、いよいよコスト削減できる領域が縮小しつつあります。そうは言うものの、ある程度の販促費を投入しないと、前年実績すら維持できない昨今では、費用対効果を今まで以上にシビアに見ていかざるを得ません。
こんな時ほど、原点とも言える、販売促進プロセス全体を検証し、測定・分析・評価の一連の流れを通じて改善していくよう努めたいものです。
■ 販売促進プロセスをマネジメントする
販売促進は、消費者の行動変化によって効果を直接的に測定できることはよく知られていますが、単に売上実績や粗利実績評価、消化数量評価にしてしまうことが多いものです。一般的な販売促進プロセスのイメージは、計画立案から始まり、実施、測定、分析、評価、フィードバックのサイクルになっています。基本プロセスにPDCAサイクルを当てはめてみると、プロセスごとの役割がはっきりします。(図1参照)
それぞれのプロセスにはサブプロセスがあり、チェーンのように繋がりあいながら、同じように循環している構造になっているのです。
販売促進プロセスをマネジメントしていく上では、常にチェックをし、次のアクションを変化させていくことを前提として、実施後の評価の仕組みを事前に組み立てておくことがポイントになります。そのためには、計画立案が最重要と言えるでしょう。しっかりした事前計画を策定することで、実施がうまくいき易くすることは当然として、その後の測定、分析、評価をきちんと実行し、次のアクションにつなげていく事が容易になります。
計画立案のサブプロセスを見ると、さらに明確になります。例えば、店頭における催事計画を立案することを前提として、サブプロセスを見てみましょう。(図2参照)
■ ターゲッティングとニーズ仮説立案
まず、最初に考えないといけないのはどんな顧客を狙うのかというイメージを固めるターゲッティングです。催事には色々なパターンがありますが、成功するためには呼びたいお客様をはっきりさせることが必要です。全部の客層を対象にしたくなるのは心情的に理解できますが、それでは効果的な集客イベントや催事を企画することは難しいとお考えください。
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