今やマンションの必需品となった宅配ロッカー。そのシステムを日本で初めて立ち上げ、ダントツのシェアを誇るのがフルタイムシステム社だ。圧倒的なポジション獲得に到る同社の経緯に迫る。
既存のロッカーにもちろん自転車は入らない。しかし管理センターのシステムを応用すればレンタサイクルの提供は可能。自転車のカギとバッテリーをボックスで管理すれば、人気の電動自転車をレンタルできる。
「買うたら高い電動自転車やけど、レンタルやったら使用料金は微々たるもんや。これはお客さんに喜んでもらえると確信しました」
『フレンツ』と呼ばれる電動自転車のレンタルシステムは、すでに70カ所ぐらいのマンションで採用されている。その恩恵を受けているのはユーザーばかりではない。限られたスペースを有効活用できるのだから、デベロッパーにも歓迎されている。
「ただしレンタルサイクルの場合は、予定通りに返してもらえんと他のお客さんが困るでしょう。そこでも活躍するのが管理センターなんです。返却予定時間が近づいたらまずケータイにメールを送ります。それで戻ってこなかったら最終的には自動的に電話をかけますから。」
ここまで徹底できるのも管理センターがあればこそ。レンタルを望むユーザーは自室に居ながらにして携帯電話でレンタルサイクルの空き状況を確認することができる。わざわざ下まで降りていって空いているかどうかを見る必要もない。マンションの高層化が進んでいる現状では特に喜ばれているサービスだ。
「まだまだいろんなサービスが考えられるはずで、そのためのうちの頭脳が管理センターなんです。そやから、ここの情報システムだけは現時点で考えられる限りで最高のものを使ってます。セキュリティにも配慮してしっかり金をかけてますから」
何しろ全国で約80万世帯、240万人もの個人データを扱うシステムなのだ、万全を期するのは当然である。フルタイムシステム社の場合、管理センターが単なるコストセンターではなく、将来のプロフィットを生み出す強力なエンジンともなっている。その力を活かして同社は今後、どのような展開を考えているのだろうか。
⇒次回「ロッカーをコンビニにしたい」へ続く(全四回)
『株式会社フルタイムシステム関連リンク』
・株式会社フルタイムシステム ホームページ
http://www.fts.co.jp/
・フルタイムロッカーユーザー向けコンシェルジュサービス フルナビ
http://www.fullnavi.jp/
・北海道・有機無農薬野菜の生産農場 フルタイムファーム
http://www.fulltime-farm.co.jp/
◇インタビュー:竹林篤実/川村真理 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:大鶴剛志 ◇撮影協力:㈱オンボード
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FMO第18弾【株式会社フルタイムシステム】
2009.01.13
2009.01.06
2008.12.22
2008.12.16