今やマンションの必需品となった宅配ロッカー。そのシステムを日本で初めて立ち上げ、ダントツのシェアを誇るのがフルタイムシステム社だ。圧倒的なポジション獲得に到る同社の経緯に迫る。
最終回
「ロッカーをコンビニにしたい」
■シェア70%、全国1万5千カ所のマンションに
「おかげさんで、宅配ロッカーのお客さんは全国に80万世帯もいらっしゃいます」
ところで素朴な疑問だがマンションの全戸数に対して、宅配ロッカーはどれぐらいの数を用意すれば良いのだろうか。
「少なすぎたらお客さんに不便でしょう。といって多かったら、ええというもんでもない。限られたスペースを無駄にはできませんから。以前いろいろ調査した結果、マンション戸数の3分の1ぐらい用意したらええということがわかったんです」
100戸ぐらいのマンションなら、30個である。これも管理センターのフォロー体制がより精緻になり、ICカードによる認証システムなどを取り入れた今では、さらに効率化が図られた。その結果マンション戸数に対する必要ロッカー数は10?15%ぐらいで回るという。
「もしずっと荷物が入ったままやったらどんどんメールなどの通知を出しますから。最後の手段はハガキやけれど、これも自動的に発送できるシステムになってます」
顧客の動向を逐一見ているからこその発見もあるという。たとえばクリーニング代行サービスの利用率が東京と大阪ではまったく違う。
「圧倒的に利用率の高いのが東京です。やっぱり東京の人はそれだけ忙しいというか、時間に追われたはるんやなと思いますね」
顧客の声を集めるだけではなく、その利用状況もチェックできるのが管理センターの強みだ。東京、大阪だけではなくエリアごとに微妙にライフスタイルが異なることもわかってきた。そこには必ず新しい顧客ニーズがある。ということはエリア対応も今後の同社には新たなビジネスチャンスとなるだろう。
■自転車から自動車まで、そしてマンションから街角へ
「東京のマンションではカーシェアリングサービスも始めました」
都心部ではすでに、あえてクルマを持たない人たちが出てきている。公共交通機関が整備されているから、あえて維持費の高いクルマは不要、その方がエコでもあるというわけだ。ただし、荷物の多い時などクルマを使いたい時も確実にある。そこでカーシェアリングの出番となる。
「第一号はデベロッパーさんからの企画で、うちがトヨタ自動車系列の会社と直接組んでやらせてもらいました。これからもどんどん新しいサービスを追加していく予定で、最終的に僕は宅配ロッカーをコンビニみたいに便利なもんにしたいんです」
▲ロッカーを単なる「モノを収納するスペース」ではなく「サービスを提供するシステム」と考えるのが、フルタイムシステム社の特長だ。
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FMO第18弾【株式会社フルタイムシステム】
2009.01.13
2009.01.06
2008.12.22
2008.12.16