年の瀬が近くなると、なんとなく今年の出来事を振り返ってみたくなる。様々なことがあった。大きな事件も。 しかし、筆者がずっと気になっていたのはごく小さなコトなのだ。 ネット上では割と大きな話題になり、様々な議論がなされたコトではあるけれど。
YAHOO知恵袋に書き込まれた一つの問題提起。今年の2月頃のことである。
<店員に「ありがとう」と言う人が大嫌い。おかしいのでしょうか。。。>
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1114818296
<会釈ならいい>のだが、<なんで声に出す?>という疑問。
<知り合いでも何でもないのに、馴れ馴れしくない?>という感覚だという。
そして<私自身、コンビニでバイトしてたときに、「ありがとう」と言われたことあります(関西の発音の人が多かったような。。。)
正直、内心で「友達でもないのに何様?」と思ってました。別にお礼言われるようなことしてないし、と。>
しかし、こうも言う<でも年配の方とかが笑顔で「ありがとう」と言ってくれたら素直に嬉しい。この気持ちは何でしょう。。。>
比較的、最近知り合った人がいる。ちなみに、奇しくも先の書き込みにあった「関西の人」だ。
彼と一緒に仕事をして行動を共にして気がついたことがある。
「ありがとう」だ。
書き込みにある<関西の発音>なので、関東の人間からすると、こころもち、「ありがとう」の「と」の音がすこし強くなる特徴的な発音で、大きな声で「ありがとう」を言う。
まさにコンビニでも、商品を受け取るときに「ありがとう」と大きな声で言う。
筆者もコンビニや様々な店舗で商品の受け取りや、釣り銭の受領時に礼を言う方だ。しかし、彼を見ると決定的な違いに気付かされた。
自分は、おずおずと、小さな声で「どうも」などと言っているだけだ。
これではいけないと、彼と知り合ってからその態度を改めようと、大きな声で「ありがとう」を言ってみるようにした。しかし、まだ何かが違う。
声の大きさなら自信がある。講師業をしていると、大きな声が出せるようになる。腹式呼吸によって、腹から声を出す。喉でしゃべっていては長時間持たないので、自然に身についたものだ。
しかし、問題は声の大きさではないようにも思えた。大きな声で「ありがとう」を言っても、相手に伝わっていないように思えたのだ。
再び、彼と会って営業に同行した。途中、店に入り彼の「ありがとう」を聞いた。
意外にも声は大きくなかった。
そして、自らとの決定的な違いが発見できたのだ。
きちんと相手を見ている。
忙しいコンビニの店員と目を合わせるのは難しい。先の書き込みにあるように店員自身が、礼を言われるとも思っていないかもしれない。しかし、釣り銭や商品の授受の際に、ほんの一瞬目が合う時がある。その瞬間に「ありがとう」の言葉を大きな声で発しているのだ。
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2008.12.21
2009.01.01
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。