プレゼンを科学する
 ~ジョブスに挑戦(2)「Talk編」

2008.10.30

ライフ・ソーシャル

プレゼンを科学する  ~ジョブスに挑戦(2)「Talk編」

家弓 正彦
株式会社シナプス 代表取締役

プレゼンで、やはり気になるのは「喋り方(Talk)」ですね。 名スピーカーは、喋り方ひとつとっても、様々な技術を駆使しているようです。 また、今回もスティーブ・ジョブス、キング牧師、その他の名スピーチを題材に、整理してみましょう。

(1)自分の言葉

前回もご紹介しましたが、キング牧師の「I have a dream Speach」。
キング牧師のこの原稿を前日一晩徹夜して書き上げたと言われています。
約16分のスピーチの間、キング牧師は完全にその内容を自分のものとし、
原稿に目を落とすことは非常に少ないのです。
自分の思い全てを原稿に落としているんですから、
当然と言えば当然なんですけど、、、凄いですね。

やはり、プレゼンの基本は「自分の言葉で語りかける」ことです。

プレゼンに慣れていない方は、時々完璧な原稿を準備していることがあります。
私は「読む原稿」は使いません。読むための原稿を準備すると、
ついそれに頼ってしまい、視線は下に落ち、棒読みになりやすい。
そして、ちょっと原稿から目を離して、オーディエンスを見ていると、
原稿のどこを読んでいるかわからなくなっちゃたりします。

私が使うとすれば、伝えたいエッセンスをキーワード化したメモぐらいです。

(2)短文リフレーズ

最終的に、聞き手に伝えたい「Key Message」は、短文で表現する。
これが印象を強める条件だと思います。
そして、それを「繰り返す」。ひたすら「繰り返す」。
素敵な短文であれば、必ず聞き手のマインドに深く刻まれます。

再びキング牧師の「I have a dream Speach」。
そもそも、タイトルになっているように、
「I have a dream」と連呼することで、有名なスピーチです。
氏は、スピーチの後半で、声高らかに「I have a dream」と
トータル9回も繰り返します。

これも前述のジョブスのスタンフォード大の卒業式スピーチ。
最後のメッセージは、「Stay hungry,Stay foolish」
こちらは、3回でしたが、淡々と自分の言葉の合間に、
3回織り交ぜることで、私の心にもジーンと染み入りました。

是非、聞いてほしいプレゼンです。

(3)数字のパワー

政治家はよく数字を武器に語ります。
財政、予算、景気指標、社会指標、その他もろもろ、、、
なんとなく「詭弁だな~」と思うことも多いのですが。(^^)
これは聴衆に納得感をもたらす効果があると考えられているからでしょう。

一方、ジョブスもよく数字を語ります。
さらに、単なる数字に終わらせずに、演出を加えます。
「iPhoneを400万台販売した」、、、に続いて、、、
「つまり、毎日2万台売れているんです」と、、、
なんとなく、「すごいな~」って思いますよね。

次のページ(4)語り手転換

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家弓 正彦

株式会社シナプス 代表取締役

マーケティング戦略を中心としたコンサルティング、マーケティングに特化した教育プログラムの提供を行っています。

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