「そら、あめ、かさ」をうまく使うために:鼓の形

2008.10.12

仕事術

「そら、あめ、かさ」をうまく使うために:鼓の形

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

「鼓の形」という概念を知っていますか?名前はどうでもいいですが、その指し示す概念を知っていますでしょうか?今日は、そら、あめ、かさを知った上で、より効果的に使うための「鼓の形」の解説です。

 システムと体制を見ると、効率よくまわせているし、ヒューマンリソースの供給も問題ないので、システム、体制は非常に安定している、と。

 それで、これらの意味合いを総合すると、クリティカルなのは、もっと儲けるのもっとがどれぐらいを設定するかで伸びるところまでは伸びられるけど、どこから伸びが止まりそうなのか、それに対する準備は?というところだ、と。

 今後3年は、今のやり方で伸ばして、同時に3年後のこういう方向への転換の準備を進める!と。

 細かく、細かく分けたものが統合されていくんですね。それが「雨がふりそうだ」、意味合いのフェーズです。

 で、そういう「雨」をベースにアクションへと移していきます。じゃあ、戦略をこういうふうに修正して、こういうシステムにして、こういうHRが必要だから、と、どんどん細かい部分に落としていきます。

 そして、打ち手の1つ1つに落として、その上で、打ち手1つ1つに実行計画がついてきます。

 また細かくなるんですね。

 全体を見ると、そらの部分で分ける、ひたすら分ける、意味合いの部分で統合する、どんどん統合する、その統合されたものから、アクションのコンセプトを出す、そして、そのコンセプトをベースに実行する事項が細かく分かれる。

 そうすると、全体像としては、はじめ広がって、また元に戻って、そしてそれを裏返して、また広がって、という鼓(つづみ)のような形になるんですね。

 で、このプロセスを知らない、「外資系コンサル出身です」、というコンサルタントと仕事をしたりすると、ちょっとびっくりするのと、あきれるのと・・・。

 まあ、意味合いを統合していくフェーズは、マネジャー以上じゃないと、教育を受けないので、わからないとも思いますけど。

 マッキンゼーウェイ、マッキンゼーマインドの著者、イーサン・M・ラジエルもマネジャーになってないので、こういうことは解説してませんよね・・・。

 こういったアプローチは、第三者として説得力があるアクションを提言するのに、ある意味で不可欠だと思います。

 「鼓の形」という言葉でなくてもいいですけど、こういうプロセスをしっかり理解して、プロジェクトを組み上げていますでしょうか?

 と、少し、怒りにまかせて書いてしまいました。仕事でこういうことを理解できていないコンサルタントがいて、ちょっと頭にきたんですね。ごめんなさい。

 では、次回をお楽しみに。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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