定量的な比較相対によってキャリアのよしあしを判じるとらえ方が、働くストレスをますます増大させる。
自分が納得して選んだ職であれば、
今度はその職を通して自分らしい色合いを発していくことが、
自分の愛すべきキャリアになっていくのではないでしょうか。
定量的な相対評価によって
自分のキャリアなり、生き方なりが順序づけられ、
勝ち負けのハンコを押されて
それに本人が一喜一憂する様は、
子供のお受験戦争と構図がかわらないように思えてきます。
キャリアは、個人の働き様・生き様の問題であって、
他人からとやかく評定ハンコを押されてたまるか
自分は自分の色を出せばいい。
妥協を廃して、納得できる状況をつくりだしていけば
あとは天命だ、ぐらいに泰然自若とできる人が
自分なりの幸せのキャリアを歩んでいけるのだと思います。
マックス・ヴェーバーは、すでに1904-05年、
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で面白い記述をしています。
「営利のもっとも自由な地域であるアメリカ合衆国では、
営利活動は宗教的・倫理的な意味を取り去られていて、
今では純粋な競争の感情に結びつく傾向があり、
その結果、スポーツの性格をおびることさえ稀ではない」。
・・・この記述から約100年が経ち、
まさに現在のビジネス世界は、アメリカのみならず多くの国で
どっぷり「利益追求ゲーム」の様相を濃くしています。
その結果、個人の生き方においても
『金儲けマッチョ』こそが人生の成功者たりえる
といったような風潮になってきたような気がします。
私は、4年前、キョーソー(競争/狂走)的なサラリーマン生活にピリオドを打ち、
自分の想う個人事業をはじめました。
そして仕事においても、個人の生き方においても
そうした「マッチョ・レース」から降りました。
・・・すごく心身がラクになりました。
私は私なりの色を発していればそれでよし、と吹っ切れたからです。
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【2景】キャリアの要諦
2007.06.09
2007.06.01
2007.05.15
2007.05.07
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。