キャリアという長いマラソンを走っていくにあたって、イメージを持つ者と持たざる者の差は歴然として現れてくるだろう。
【Envisioning Career-scape 第2景 ?3】=======
私が考えるキャリア形成における重要なコンセプトは3つ。
・『偶発の必然化』
・『イメージ・プルの力』
・『発色性』
今回は、その2つめの『イメージ・プルの力』について書きます。
人間は、漫然とは頑張れないものです。
勝負師が、「何となくベストを尽くします」などと決意表明できないように。
私も学生時代からいろいろスポーツをやってきたのでよくわかりますが、
アスリートたちは競技直前に
ヘッドフォンステレオを聴きながら
じっと目を閉じて精神を集中させている。
たいてい彼らは、頭の中でイメージをつくっている。
自分がベストの状態でプレーしている姿、
自分が勝利するその一瞬の姿を映像化して反復させている。
人間は、何か事を成すにあたって、
ゴールイメージを描いてやるか/やらないかで
力の出方に格段の差が出ることは
各人が大なり小なりに経験するところです。
一時(いっとき)の競技事・勝負事においてすらそうなのですから
ましていわんや、中長期のキャリアづくりにおいて、をやです。
「やりたい仕事」「なりたい自分」
「目指したいレベル/獲得したい状態」
「あこがれる職業人モデル」
「理想のワークスタイル/ライフスタイル」等々、
これらのイメージを持つ者と持たざる者の差は
10年、20年で歴然としてくるでしょう。
中長期のキャリアイメージを持つことは2つのメリットを本人にもたらします。
1つめに、キャリアの漂流を防ぐ
2つめに、内面から力を湧き起こしてくれる、です。
○1つめに関して:
人のキャリア・人生は偶発に大きな影響を受けるものだと前回指摘しました。
自分自身には、常に内と外から
さまざまな力がはたらいて
押し合いへし合いする複雑な力学の中で
「ブラウン運動」(=予測できない方向へのジグザグ運動を繰り返す)する存在である
ことも指摘しました。
もし、自分がイメージに向かう“意志”(=エンジン・推進力)を持ち合わさなければ、
永遠に漂流するでしょう。
けれども、多少なりとも、意志を持てば、
不規則にジグザグはあるかもしれないが、
中長期にはあるところにたどり着けるということです。
いってみれば、
私たちは大海原にゴムボートで漕ぎ出しているようなものです。
エンジンを持たなければ、風・潮に流されるだけですが、
多少なりともみずからの推進力を持てば、必ずその方向に進んでいける。
私の好きな言葉のひとつに、ウォルト・ディズニーの
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
【2景】キャリアの要諦
2007.06.09
2007.06.01
2007.05.15
2007.05.07
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。