2008.09.14
保護者の方、携帯フィルタリングへの正しい理解を!
寺西 隆行
(株)Z会
12日、ドコモ、au、ソフトバンクモバイル、ウィルコムなどの携帯・PHS各社から、18歳未満の方が「有害サイト」にアクセスできないようにするためのフィルタリングサービスを拡充するとの発表がありました。 大手新聞社を始め、様々なメディアに取り上げられていましたので、注目の高い内容なんだと思います。
3.マスメディアの見出しだけに過剰反応しない
注)これから述べることに関しては、見出しそのものが悪いと言いたいのではなく、携帯リテラシーがないまま情報を(自分だけの理解で)鵜呑みにしないことを伝えています。
まず、朝日新聞の記事を参考にしながら。
http://www.asahi.com/business/update/0912/TKY200809120252.html
・見出しに「フィルタリング緩和へ」とありますが、「ホワイトリスト方式ではなくブラックリスト方式にすることを正式に表明した」ことをさすものです。むしろ一般の18歳未満の方が受けるイメージとしては、既存契約者にも適用されるので「フィルタリング措置拡大へ」という雰囲気があるのも否めません。
・見出しに「健全掲示板なら閲覧可」とありますが、「健全掲示板」となるにはEMAによる認定が必要です。「このサイト安全だよね」と保護者の方が一方的に思っている掲示板であっても、掲示板運営者がEMAへ認定申請をしていない限りフィルタリング対象となります。
一方、今回EMAが健全サイトと認定した「Gree」は、mixiやモバゲータウン同様のSNSですから、未成年同士の頻繁なやり取りを(仕組み上は)可能にしていますので、「EMAが認定しているサイトは直接やり取りなんてできないと思っていた!」というのは先入観にすぎませんので、ご注意ください(EMAの認定は「投稿の管理監督をしっかりしていること」に重きを置いているのです)。
続いて時事通信の記事。
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2008091200823
・「18歳未満原則加入へ」という部分がわかりにくいですね(しょうがないですけど)。要するに、保護者から自発的な「フィルタリング不要」という申し出がない限り適用していますよ、契約者が未成年の場合いきなり「今まで見られていたサイトが見られなくなった!」ってことがありますよ、ということです。
※保護者が「うちの子どもは携帯を正しく使っているのでフィルタリングかけないで」と言う場合には、「不要」と申請することで大人同様に携帯を用いることができます。
4.リリースやメディアだけでは分からない対策も着実に進行中
例を挙げます。
・保護者が正しく理解することで、「子どもに見せたいけれどもブラックリストになっているサイト」を見せたり、「子どもに見せたくないけれどもフィルタリングを通過しているサイト」を見せなくしたりできる「保護者個別設定」の仕組みを備える方向で進められています。
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