誤用への雑考~“確信犯”という用語から

2008.09.17

仕事術

誤用への雑考~“確信犯”という用語から

寺西 隆行
(株)Z会

スポーツ報知の記事の中に見た“確信犯”という用語。 えっ、これを“確信犯”と言い切ってはちょっとまずい… というちょっとした思いから、「誤用」について思っていることをつらつらと。

◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

Yahoo!のトピックスから辿りついた記事に、スポーツ報知のこんな記事が。

安馬が掟破りの喫煙…「全面禁煙」の支度部屋で
http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20080917-OHT1T00063.htm

という記事を紹介しつつフェイントをかけ(笑)、実はこの記事そのものを紹介したいわけではなく、記事中の下記表現にひっかかったことを書きたいのです。

=====
協会は昨年夏場所から、支度部屋のドアに張り紙をして全面禁煙を告知している。カメラマンを制した姿を見ると、安馬もそのことは分かっているはず。にもかかわらず規律を破ったのは明らかな“確信犯”だろう。
=====

「確信犯」という言葉。誤用が多いとされている言葉の一つです。
※ウィキペディアより↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E4%BF%A1%E7%8A%AF

…と、鬼の首を取ったように記事自体を責める!?のでもなんでもなく…
誤用に対して、我々が相向き合う姿勢があるのではないかなあ、と思ったもので、そのことについて書こうかと。

学校教育で学習する「古文」。その表現のほとんどが現代では通用しませんよね。
しかし昔はれっきとした「流通し、誤解を生まない言語」であったわけです。
あるとき突然「この表現、今日からこうするから!」と決めたわけでもないですよね、恐らく。

歴史が流れると共に、言葉遣いや言葉の意味、自ずと変わるものであり、それが自然の理だと思います。
ですから、「誤用をする人」「誤用をそのまま受け止める人」がいても、そのこと自体は自然なこと。人間社会とは“そういうもの”ですから。

とはいえ開き直って、何でもかんでも「誤用」した表現を使うべきではないと思います。
少し大袈裟に言うと…コミュニケーションの目標は「相手に対し、自分の内心を表現したものが、自分の意図通りに伝わること」ですから、自分が誤用していた言葉の影響を受け相手が「?」となったり、ときと場合によっては誤解を招いたりすることもあるからです。

「閑話休題」がいい例ですね。
「本題に戻して~」が正しい意味なのに、「ここで少し話をそらせて~」の意味とする誤用がよくあります。
受け手によっては間逆にとらえますよね。

次のページ1.誤用を指摘されたら素直に「ごめん」

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寺西 隆行

寺西 隆行

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文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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