セールスの際には、「5人の顧客」と言われる考え方と「ニードセールス」と言われる考え方があります。ニーズがある人を集めても、全員に売れるわけではないよ、という考え方と、お客様のニーズに合わせて商品はカスタマイズすべしという考え方です。今日はこの2つを解説していきます。
感覚的には、正規分布の真ん中からプラマイ1σ分ぐらいが③に属すると思っておいてちょうどいいぐらいです。そうすると、お客さんの68%は③に属することになります。
プラマイ2σ分ぐらいが②と④で、プラマイ3σ以降の分が、①と⑤で考えると、駄目な営業マンと取れる営業マンで1000倍は差がつくと言われるのがなんとなく分かると思います。
これに対して、ニードセールスをすれば、全部取れる!と主張される人もいますが、いくつかの理由でそれはウソです・・・。
ニードセールスというのは、お客様のニーズにあった商品をカスタマイズして売るということです。いわゆる提案営業でしっかりカスタマイズする、ということです。
でも、カスタマイズにも限界があります。
例えば保険のニーズが薄い人、保険を買う気が薄い人にどんなカスタマイズをしても、保険は保険です。売れませんよね・・・。
あと、どの程度のカスタマイズにサービス、商品が耐えられるか?というものもあります。
吉野家さんでツユダクはできますが、「牛丼にマヨネーズかけて下さい」と言われても、困りますよね?
マヨネーズをどこかで買ってきますか?そんな例外オペレーションばかりしていては、利益率はどんどん下がりますよね。
いや、オプション料金をものすごく払ってくれるならいいですけど、それにも限度があります。
オプション料金のお話しになったので、ついでに書きますが、ニードセールスはお客様のニーズを満たすため、という側面はありますが、企業側から見たら、プライスアップのためのもの、と言ったほうが正しいですよね。
オーダーメイドのスーツと、アオキのスーツ、どちらが高くても納得しますか?と言われれば、オーダーメイドのほうが高いですよね。オーダーメイドが20万円で、アオキのスーツが1万円でも、納得感はありますよね。
自転車マニアの人はカスタマイズ自転車を作るらしいのですが、100万近い料金を払うそうですね。
ママチャリは1万円行きませんよね?
企業側から見ると、ニードセールスはプライスアップのために使えるプロセスなんですね。
高いけど、高い理由があればいいんです。うまい棒が1000円です、と駄菓子屋においてあっても売れないです・・・。
でも、世界に一本しかないうまい棒です!だったら、1000円払う人もいるかもしれませんね・・・。いや、やっぱりいないかな・・・。
お話しを元に戻しますと、「うちは価格交渉が厳しくてなかなかプライスアップなんて・・・」、とお悩みの会社はこのプロセスがきっちり設計されていない場合が多いですね。
ニードセールスをするには、提案プロセスとその前のヒアリングプロセスをきっちり分ける必要が出てきますから、ただ売るよりもコストはかかりますよね。
セールス活動のリードタイムも長くなる。そして優秀な人間へのトレーニングも必要になりますので、そういったことをやる覚悟がある会社以外は難しいですけど・・・。
と、今日は「5人の顧客」と「ニードセールス」についてお話ししました。うまくご説明できたでしょうか?このあたりの知見についてはまだまだ書いていきますので、次回をお楽しみに。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。