セールスプロセス改善:「5人の顧客」と「ニードセールス」

2008.09.08

経営・マネジメント

セールスプロセス改善:「5人の顧客」と「ニードセールス」

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

セールスの際には、「5人の顧客」と言われる考え方と「ニードセールス」と言われる考え方があります。ニーズがある人を集めても、全員に売れるわけではないよ、という考え方と、お客様のニーズに合わせて商品はカスタマイズすべしという考え方です。今日はこの2つを解説していきます。

 何度でも書きますが、お客さんが目の前に突如として現れて、その商品をくれ!と言ってお金をくれる、そんなことは起こりません。

 突然、素敵な異性が現れて付き合ってください!と言うような事態は芸能人でも無い限り、起こらないのと同じです。

 サービス、商品を提供して、お金を払っていただくためには、ニーズのある人に、その人が買いたくなるようにオススメしないといけません。

 ニーズのある人に、その人が買いたくなるようにオススメするためには、ニーズのある人を集めなくてはいけません。

 ニーズのある人を集めるには、集まる理由を作って、ニーズがある人がいそうなところにその情報を流さなくてはいけません。

 さて、今日のお話しは、ニーズがある人を集めた上で、その人が買いたくなるようにお勧めするときのお話しです。

 しかし、いくら撒き餌のようなものを撒いて、購買してくださるお客様候補を集めたとしても、成約率100%にはなりません。まあ、集客の精度を高めることで、成約率を高めることはできるとは思いますが、半分成約できたら、相当の高確率です。

 これ、一般的なお話しですからね。成約率が異常に高かったらちょっと注意が必要です。無理な約束をして成約していたり、極度の値引きをしていたりといった、おかしな営業をしている可能性があります。こういうことをしていると、解約率とクレーム発生率が上がるので要注意です。

 さて、お話しを元に戻しますと、こういった時に引き合いに出されるのが「5人の顧客」というお話しです。

 お客さんを5人に分けて考えるとわかりやすいんです。

 ①80%~100%で絶対買う気のお客さん。

 ②60%~80%でかなり買う気のお客さん。

 ③40%~60%で買おうと思っているちょっと迷いのあるお客さん

 ④20%~40%程度しか買う気がないお客さん

 ⑤0%~20%、ほぼ買わないことを決めているお客さん

 この5つに分けますと、③のお客さんを取れれば一流の営業マンです。超一流は④のお客さんも取ろうと思えば取れるでしょうが、ケアしないといけない分のコストがかかるので、止めたほうが賢明だという判断をする場合が多いでしょうね。

 新米君は①のお客さんを漏らさないこと。②をしっかり取れるようになること。③のお客さんの背中押しが出来てトップ営業マンの仲間入りですね。

 ちなみに、これ、実数でいくと20%ずつ①~⑤まで分布してくれると嬉しいのですが、そうではありません。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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