ネット視聴率白書2008-2009を読む(2)ネット視聴率調査の4大指標

2008.08.20

ライフ・ソーシャル

ネット視聴率白書2008-2009を読む(2)ネット視聴率調査の4大指標

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

現在、「インターネット視聴率調査」の 商用サービスを提供している主要企業は以下の2社です。 ・Nielsen Online(ネットレイティングス株式会社) ・株式会社ビデオリサーチインタラクティブ

前回触れたように、

上記2社の調査協力モニター(調査パネル)

は現在統合されています。
(つまり、元となるデータは同じもの)

したがって、両社のサービスの違いは、
収集されたデータの集計・分析方法や提供方法にあります。
(両社のサービスの違いについての説明は詳細になりすぎるため
 割愛します)

さて、上記2社が提供しているインターネット視聴率調査の
サービスにおいて共通する

「4大指標」

と呼べるものがあります。

それは、現在公開されている各Webサイトに対する、
一定期間(週単位や月単位)における「拡大推計値」である
以下の指標です。

1.利用者数
2.利用回数(利用頻度)
3.閲覧ページ数
4.閲覧時間(滞在時間)

「拡大推計値」というのは、
約1万人の調査モニターのインターネット利用状況データに
基づき、

インターネットユーザー全体(母集団)

の利用状況を拡大推計(母集団推計)した
数値であるという意味です。

例えば、1の「利用者数」は、
日本のインターネット総人口に対して、
調査モニターの該当サイトの

「一定期間の利用割合」

を乗じたものになります。

具体数値を示すと、
ある月のYahoo.co.jpの「利用者数」は、

4,219人(単位:千人)

とネット視聴率調査のレポート上では示されています。

これは、1ヶ月の間にYahoo.co.jpを利用した人を
日本のインターネットユーザー全体で見たら全部で

約420万人

いたということです。

なお、該当サイトに対する

「一定期間の利用割合」

のことを

「リーチ」

と呼んでいます。

CMにおける「リーチ(累積到達率)」と同様、
インターネット人口のうちどれだけの人に到達(リーチ)
できたかという意味ですね。

先ほどの例では、Yahoo.co.jpのある1ヶ月間の「リーチ」は、

86.76%(アクティブユーザーに対して)

です。

これは、

当該月にインターネットにアクセスしたアクティブユーザー
のうち、9割近くの人がYahoo.co.jpを利用した

ということであり、要するに、日本のネットユーザーは、
ほとんどの人がYahooを使っているということがわかるわけです。

残りの4大指標、および派生する各種分析データについても同様に、
調査モニターの利用状況データに基づき、日本のネットユーザー全体
に拡大推計した数値がレポートとして提供されています。

*Nielsen Online(ネットレイティングス株式会社)

*株式会社ビデオリサーチインタラクティブ

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(衣袋宏美著、翔泳社)
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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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