これまで、3CやらSWOTやら、基本的なフレームワークの解説をしてきましたが、これこそ本当に知らない人がいないフレームワークでしょう。マーケティングの4Pです。でも、本意を本当に理解して使っていますか?今日は4Pの解説です。
そもそも4Pを主張したのはマッカーシー教授ですね。彼はどのように4Pを考えたのでしょうか?
今、普通に4P分析とおっしゃって、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションを普通に書き出す方が普通ですよね。
普通はそうですよね。勝間和代さんの、「ビジネス頭を創るフレームワーク力」の中でも、ご自身の著書「お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践~」をケースとして、そのように書いてあります。
この本に書いてある、4Pをそのまま見てみましょう。
プライス:
これまでの資産管理書籍は1000円を越える本ばかりで「ちょっと興味がある人」には敷居が高かったため、1000円以下とする
プロダクト:
徹底した初心者対象。ただし、金融以外の教養は高い人向けの、内容が網羅された書籍
プレイス:
「さおだけ屋はなぜつぶれないのか」
「ざっくりわかるファイナンス」などで先行事例がある光文社文庫で出す。
いちばん重要なのは資産管理コーナーや株式コーナーではなく、新刊コーナーに置いてもらうこと
プロモーション
預金にしておくと発生してしまう機会コストをわかりやすい題名で設定。20以上の候補の中から、わかりやすくインパクトのある「お金は銀行に預けるな」にすることで、店頭での引きやパブリシティの取りやすさを重視
と、あります・・・。
でもね、これ、違うと思うのです・・・。内容がどうと言うより、4Pを伝えるという意味で「これが4Pです」と読者に投げてしまうのが。
そもそも的なお話しと、書いている内容の両面から、誤解を招くと思うのです・・・。
上の4Pをよく見て欲しいのですが、プライスとプロダクトには、ターゲットとの結びつきの中でのお話しが書いてありますよね。
プレイスとプロモーションは、こうする!と書いてあるだけで、なぜかは書いてありませんね。
ミッシー感がないと思いません?
これ、なんでだかわかりますか?
なぜか?
そもそも、マッカーシー教授が提唱した4Pモデルは、どのようなものかと言うと、ターゲットが真ん中に円で書いてあって、その周辺にプロダクト、プライス、プレイス、プロモーションと、ターゲットとの結びつきの中で4つのPを語るべき、との主張を図解したものだったんです。
つまり、ターゲット+4Pで1つのフレームワークだったんですね。
まあ、その周囲に、企業の資源と目的、文化的社会的環境、政治的法的環境、経済環境、競争状況、といった、PESTと3Cと4Pが混ざるとこんな感じかな・・・、と思うようなものも書いてありますが・・・。
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2008.08.20
2008.08.21
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。