もし、あなたがプロフェッショナルであるなら、あるいはプロフェッショナルを目指すのであれば・・・
「守破離と申三字ハ軍法の習二在リ。守はマモル、破ハヤフル、離ははなる、と申候。〈略〉扱守ニテモ片輸、破ニテモ片輸。此上ニツヲ離レテめい人の位也。前の二つを合して離れて、しかもニツヲ守ル事也」
これは、『川上不白筆記』の中にある記述です。
守破離は、茶道の修行段階を表現した言葉ですが、本来は、兵法・武芸の用語です。
この『川上不白筆記』の作者である川上不白(1716~1807)は、横井淡所の『茶話抄』に次のように添え書きしています。
「守破離といふ事軍法用、尤用方違ひ候へ共、茶道に取て申候はば、守は下手〈略〉破は上手〈略〉離は名人」
「わび茶」を大成した千利休(1522~91)の茶道の修行観を、後世の川上不白が「守破離」と表現したといわれています。
参考:『千利休の修行論』(笠井哲)
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「守破離」を日本国語大辞典(小学館)で調べると次のように書かれています。
剣道や茶道で、修業上の段階を示したもの。守は、型、技を確実に身につける段階、破は、発展する段階、離は、独自の新しいものを確立する段階。
私は、「守破離」は戦国の時代に織田信長、豊臣秀吉の茶頭を務めた千利休が茶道を通して体得したプロフェッショナル論だと考えています。
これを現代のビジネスシーンに置き換えてみましょう。
【守】 既知のセオリーどおりにやってみる
【破】 あえて既知のセオリーに逆らってみる
【離】 既知のセオリーとは違う独自のセオリーをみつける
【守】は、勉強中のアマチュアのスタンスです。次の【破】は、勉強の延長線のセミプロのスタンス、最後の【離】は、勉強を卒業してプロフェッショナルに領域に達したといえます。
私は皆さんに、【守】の基本や【破】の応用を学んだ後に、【離】の独自性を考えてほしいと思います。
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私は、まるでマーケティングの教科書のような有料または無料で収集したデータを細かく分析した資料を解説しながら満足気なプレゼンターを見ると、困惑してしまいます。大変失礼ながら、プレゼンターが語る数字が頭に入ることはありません。
「受け売りの模範解答を、どうやってブチ破ればいいのか」
「自分を語らせるには、どうすればいいのか」
そんなことを考えるのに精一杯で、とても、数字は頭に入りません。
「○○というターゲットが狙い目としてはいいみたいだ」
これはまだ【守】のスタンスです。そこには、独自性もなければ、面白みもありません。
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