日本の強み、弱み、機会、脅威と福田首相の新たなリーダーシップの可能性について考えてみたい。
具体的には、エネルギー資源をほとんど輸入に頼るなど資源の乏しい日本が、世界的関心が高まる地球温暖化の脅威に対して、地球温暖化防止という新たな機会を見出し、そこで主導権を握ろうとしている。また、原爆の唯一の被爆国として原爆の悲惨さや恐ろしさを知る日本が、核兵器の廃絶、あるいは、原子力の平和利用を率先して世界に訴えるというリーダーとしての道がある。
このような弱みと脅威の組み合わせを裏返すことによって生まれる強みと機会の組み合わせは、日本の国際的な立場、あるいは、方針として、ユニークなものである。そこには確かに他国にはない優位性がある。
派手さはないが、これを淡々と進める福田首相には、野党との交渉において受身な印象が強かったこれまでとは違って、新たなリーダーシップの可能性がみられる。
景気の先行きに対して明るい展望を持ちにくくなっている中で、福田首相の新たなリーダーシップのあり方に注目したい。
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