代理欲求を知っていますか?マズローの欲求階層論は誰でも知っている面がありますが、代理欲求を知っている人はあまりいませんね・・・。ただ、全社戦略を考える上で、マーケット概観、市場拡大というものを考えていく際には役立つ理論ではないか?と思います。
マズローの欲求階層は知っていますよね。欲求と言うのは段階的に強く発現するものである、という理論です。
一番ベースにあるのは、生理的欲求。食いたい、寝たい、などの生き物として当たり前の欲求です。
その生理的欲求があるレベル以上で満たされますと、安全欲求が強まり始める。
安全でいたい、という欲求ですね。
まあ、食えないなら、危険でも食いたい、というところから、危険を冒したくない、できれば安全に、というところに移行するんですね。
そこも、満たされると、関係性欲求が強くなる。
人との関係を持ちたい。仲良くしたい。安全に食えて初めて、人と仲良くする気持ちが強くなってくるんですね。
人と仲良くできるようになると、人に認められたくなる。承認欲求と言うものが強くなる。
そして、承認を一定以上得られるようになると、自己実現、自分とは何者か?を問うようになる、というものですね。
ここまでは誰でも知っています。ここからがポイントです。
欲求はそんなに簡単に満たされますでしょうか?
答えは否ですね。
じゃなきゃ、欲求不満なんて、存在しませんよね。
そうすると、どうなるでしょう?
いくら望んでも友達ができない。いくら望んでも、みんなからの承認が得られない。そうすると、どうなるでしょう?
そこで、代理欲求なるものが芽生えるという理論があります。
心理学者として有名な又吉先生の理論ですね。
代理欲求とは何か?
越行、退行という現象で現れるのですが、要は本当の欲求が満たされないと、違う欲求が不健全なカタチで現れるということです。
いくら望んでも友達ができない人は、代理欲求として、安全欲求、もしくは承認欲求が不健全なカタチで強まります。
安全欲求の強さは、潔癖症や、引きこもるカタチで現れたりします。そして、その欲求は満たしても満たしても全然満たされない。
承認欲求の強さは、がり勉君的に現れたりする。もしくは、成功してやる!と起業したりする。病的なまでの頑張りは、実は関係性欲求の代理欲求としての承認欲求として出ていたりします。
でも、本当に成功して、社会的承認が得られたとしても、満たされない。なぜなら、本当は友達が欲しかっただけだから。
こういうお話しを、代理欲求と言うんですね。
一つ高次の欲求が代理欲求として現れるのを越行。
一つ低次の欲求が代理欲求として現れるのを退行と言います。
時代をマズローの欲求階層的に眺めると、今は関係性欲求、承認欲求が強い時代でしょうか?
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マズロー
2008.12.31
2008.08.04
2008.07.25
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。