最近お疲れ気味の方、問題はストレスの大きさですか?ストレス処理が追いつかないことですか?
昨今、色んな会社でよく聞くフレーズは
「うちの社員のストレス度合いを知りたい」というものです。
最近はストレスや不満を溜め込んだ老若男女が
罪も無い人々に危害を加える事件が増えています。
企業側としても、従業員のメンタルヘルスに
注意を払わざる負えない時代になって来ているのかも
知れません。
ストレス自体は悪いものではなく、適度な
ストレスがあるとき、人間は一番生産性が
高くなり、低すぎる場合はやる気が起こらず、
高すぎると正常に働けなくなってしまいます。
会社は誰が今ストレス過多状態かを知り、
手遅れになる前にケアをしたいと思っているようです。
さて、ストレスが過多、つまり溢れている度合いを測る
検査は世の中に色々あります。
私もたまにウェブのストレスチェックなどを使っています。
あ、そろそろストレスを抜きに行かなきゃ、
なんて一人で呟いたりもします。
専門家によると、ストレス過多になるには
3つの要素があるようです。
1. ストレスの原因の量
2. ストレスの処理の量
3. ストレス耐性の容量の大きさ。
ストレスの原因は様々です。さばききれない仕事もあれば、
電車の中のイヤーホンからもれる音楽かもしれません。
色々なストレスが重なって、自分が許容できる容量を
超えてしまうと、体に異常が出るとか、通常しないような
行動をとってしまうことがあるかも知れません。
そうならないように、ある程度は自動的に我々は
ストレスを処理しています。睡眠や忘却は生理的
な処理の仕組みの例です。
運動やマッサージ、好きなことに没頭したり
飲み会や愚痴の言い合いなども有効なようです。
しかし、元々のストレス対処の容量(器)は個々人によって
差があるようです。これには性格的な要素や
EQ・感情能力等が関係していると言われています。
私の会社の研究でも上記の傾向を証明するデータ
が集まっています。
器の容量が小さくてもストレス原因の量が少なかったり、
うまく処理が出来ていれば、あふれることはありません。
大きな容量であれば、比較的ストレス対処には強い
でしょうが、何かの理由で処理がとどこおれば、いつかは
あふれてしまいます。
このように、我々は日々、溢れるストレスと無意識の
うちにも、またある時は意識的に戦っています。
会社の責任が問われるのは、どんな人でもストレス
過多状態となるような劣悪な就業環境を放置している、
あるいは組織的に生み出してしまっている場合です。
昨今問題となっている、名ばかり管理職や
サービス残業、パワハラ・セクハラなどは会社責任
となる事象のほんの一例に過ぎません。
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2008.07.30
2008.08.06
横井 真人
産業能率大学 教授
個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。