これだけ、職場ストレスで悩んでいるワーカーや企業が多い中でも、なかなかその対策が進んでいないのが実情だ。しかし、嘆いていても日々そのリスクは低減する様相はない。 となれば、現場の管理職がリスク回避のためにも、また、部下のためにもメンタルケアのスキルを独自に見つけることが必要となる。
もはやいうまでもなく、日本企業のいたるところで、メンタルヘルスの問題が浮き彫りになっている。そしてメンタルヘルス研修も日本中のいたるところで実施されている。
ところが、そのメンタルヘルス研修を実施する際によく出る質問がある。
管理職向けの研修で、「部下の変化に気づくには、どうしたら良いですか?」と聞かれる。
すると講師として次のように答えざるを得ない「毎日、よく部下を見て下さい」と。
実際、それ以外に回答はないのだ。
無論、会社の取り組みとして定期的にアンケートなどでストレス測定するという方法もあるが、実際に取り組んでいる企業は少ない。
となれば、会社に頼る前に管理職自身が「目利き」の力を持つほか方法はないのだ。
そこで、メンタルヘルスのポイントして2つに分けてお話したい。
①従業員のメンタルダウンの【予防】
②メンタルダウンした場合の上司としての【対処】だ。
まずは前提として、管理者が理解しておかなければならないこととして、「あなたも含めて誰しもが重度か軽度かは別にして、「うつ病」などの心の病を発病する可能性を持っている」ということを覚えておいてほしい。
どのような人でも、心にストレスを入れるコップを持っている。
そのコップのサイズは、確かに人によって大小様々である。
通常は、水が満タンになってあふれ出る前に底に穴を開けて定期的に水を放水する。
これが、ストレスコーピング(ストレス対応力)だ。
俗に言うストレス発散ともいえる。
しかし、どんなサイズの人でも、そのコップの中に満タンに水が注がれ、それでもさらに注がれ続ければ、いつかは必ずコップの水はあふれ出てしまう。
例えば精神障害には、様々な要因があり、それだけでも内因性、外因性、心因性に分けれ、さらにその発生原因は、遺伝要因から環境要因までさまざまである。
どんな人でもその要因が集中豪雨のように降り注げば、心の病になる可能性を持っているのだ。
したがって、「心の病」は特別なものではなく、いつでもどこでも発生しうる問題であることを管理者として理解しておこう。
今回は、まずは【予防】について考えていきたい。
この【予防】に関してのポイントは、いかに早期発見を出来るかである。
実は、以外にみなさんは部下のことを見ていない。
部下は通常複数名持っている。少ない人でも2~3人。
多い人なら30人、50人を持っているだろう。
管理職とて、自分の仕事をしながら大勢の部下を見るなんて
不可能と思われるだろう。
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2008.08.07
2008.08.24
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長
http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員