「石原都知事は強引に移転させようとするなー!」という労働組合のシュプレキコールにも似た地割りのような声、労働運動に使う旗のようなものを持った人々が有楽町の駅前を通過していくのを先日(2008年7月12日)目撃しました。数百人~1000人はいたでしょうか?
築地中央卸売市場を豊洲へと移転させましょう、という計画は皆さんご存知ですね。
築地市場の老朽化と、大型トラックなどが入り込めない作りなどを考慮して、新しい施設を豊洲の東京ガス工場跡地に移しましょうというものです。
ただ、豊洲の工場跡地から汚染が・・・
いや、工場跡地だけでなくて、一帯の地下水にも汚染が・・・
そんなところに行くのはやめましょう、というお話しのようですね。
そして、そのデモ行進?でのシュプレキコールで主張されていたんですが
「築地ブランドは世界のブランド。豊洲に移って競争力を無くすなー!」
と・・・。労働運動が競争力を語る時代なんですね。いや、行進の旗と、コールはどう見ても労働運動でしたし、労働組合という名前がけっこう見受けられましたので、労働運動系の人々がたくさんだったことは間違いないんですよ。
ただ、豊洲も国内ではブランドだったような、と思いつつ。
でも、一帯の地下水がベンゼンで汚染されている、しかも基準値の10000倍という事実は、豊洲に住みたいと言う人を確実に減らしますよね・・・。逆に豊洲ブランドの破壊をしているような・・・。
マンション市場の価格高騰はもう一服しているなか、豊洲のマンション販売に逆風にならないのか心配ですね。
ただ、大昔に共産党、労働組合も大騒ぎして取り除き運動をやった、アスベストが築地市場では未だに残っているそうなんですけどね・・・。
アスベスト+老朽化しているけど世界のブランド築地
東京ガスの工場跡地で土壌汚染+地下水汚染だけど、近代的になる豊洲
どう比較しましょうか・・・。
ただ、豊洲の予定地では、土壌の浄化工事にお金を投入するようです。なんと浄化費用は1300億円もするそうですが・・・。
ただ、すごく現実的にこの運動に築地の業者さんたちが反対する理由は別のところにあると思いました。
豊洲に移るときに、業者さんが負担する初期投資がけっこうかかります。そりゃーそーですね。
資金力がある、大きな業者さんは反対していないそうで中小の業者さんは反対している。
移転で余計な出費に耐えられますか?というところが実はクリティカルな論点として、当初のこの運動が始まるドライビングフォースになったんでしょうね・・・。
そこから、運動しやすい環境問題にしてしまって、いろんな有害物質が実際に見つかったことで、問題はもう環境問題のネガティブフィードバックループに入っているように見える。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
環境
2008.12.06
2008.12.03
2008.07.17
2008.06.22
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。