~夏休みには美術館にいって経営センスを磨こう~ 美は経営に役立ちます。役立つだけではなく、極端に言うと経営とは美そのものかもしれません。日常の生活の中にも美を感じさせるものはたくさんあります。美術鑑賞や音楽鑑賞でも良いと思います。美を感じることで、経営をみる眼を養ってみませんか。
優れた経営とは、シンプルに出来ています。やるべき事を当たり前にやっているということです。意思伝達も、複雑に人が絡み合うと、伝言ゲーム化して情報がどこかで滞ります。本来なら見えている問題点を隠したり、建前だけで押し通そうとしたりするというのも、言いたいことがいえない組織というのも、美しくないと考えれば良いでしょう。どこかに何かが詰っていて血の巡りが悪い状態です。
絵画は作者が表現したいと考えたものを、作者ならではの方法で表現しています。画面全体で表現するものもあれば、極力無駄を省いた作品もあります。この作者がなにを伝えたかったのかということが、だんだんとわかってきます。展示されている大量の作品のうち好みだと感じる数点を選ぶことが出来れば、それはそれで意味があるでしょう。その作品が伝えたかった何かを感じられれば、またすごいことですよね。
展示会では一点一点をじっくり観るのではなく、駆け足で見て歩くことをお薦めします。そして気になった作品があれば、出口から入り口までじっくり鑑賞して歩き、自分の好みを感じればよいのです。誰に説明する必要もなく、自分が気に入った作品を心に止めていけば、自ずと自分なりの鑑賞眼ができあがってきます。
美とは基本的には整ったものです。モナリザの微笑は、感動を呼び起こします。本物はなにかを伝える力を持っています。無駄を排除した、訴えたいものを持っている美。物事のあり方がわかってくるでしょう。そして経営の本質も見えるようになってくるのではないでしょうか。美しいあるいは、美しくないものの共通項がハッキリしてきます。
会社を眺めるのも同じです。何かを感じながら意図を持って見て歩くと、どこかで引っ掛かるポイントが出てきます。感覚的につかんだ問題点です。工場だけではなく販売店なども同じですし、管理部門でも同じです。たとえ現場の人が言いつくろったとしても、おかしい、美しくないと感じた点は、おかしな点です。面倒だから放置していたということがよくあります。わかっているのに、見ないふりしているのです。無理をしているところは、誰が見ても一緒で、大抵悲鳴を上げています。そこがあるから不具合が生じていたということも良くあります。
ちょうど美術館での新シリーズが始まります。上野では井上雅彦の最後のマンガ展が終わったと思ったら、博物館で、「対決-巨匠たちの日本美術」と題して、流行の若冲と蕭白の比較が見られます。さらには同じ場所で、オルセーの陶器コレクションの展示もあるし目白押しです。大阪では東京に続いてモディリアーニ展が始まります。夏休みにどこかに出かけた折に、息抜きも含めて、美術館巡りなんていうのはいかがでしょう。遠回りなようで、経営センスを磨くには最適ではないでしょうか。お薦めします。
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