世界を変える会社の作り方~4~

~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~  会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。  私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。

【 図2 】

 
図2をご覧ください。縦軸の「Value(社会価値)」。まさにこれが“動機”とするべきもの。社会的価値をどう売るのかを、いついかなるときも徹底的に追求しなければなりません。
 シェアーズと社会的価値との関係はどうあるべきか。シェアーズが持っているバリューは何なのかを考え、行動しなければならないわけです。エゴで立ち回ると上手くいきません。

 エゴとは小さな自己の動機です。ここから抜け出したい。人から尊敬されたい。お金が欲しい。まさに創業当初、呪縛されていた負の感情です。商品が売れなかった、というより営業の機会さえ与えてもらえなかった(話を聞いてもらえなかった)、最大の原因でした。どうしたら自分の「分け前」が増えるか。どう高く売るか。そのことばかり考えていました。

 ものすごく欠乏欲求がありました。やましい動機や感情は相手に伝わるもののようで、まったく上手くいきませんでした。

 社会的価値から割り戻して価格(プライシング)を考える。純粋に相手にとってどういう価値があるのかを考え、提案するようになってから、反応が変わってきました。話を聞いてもらえるようになったのです。

 相手目線という言葉は単純だけれど、その視点を持ってからの交渉は順調。商品の中身はまったく変わっていないのに……。

 人間はエゴ(小さな自己)とエヴァ(大いなる自己)を持っていて、その葛藤の中で生きているものです。エゴをどう「デトックス」するか。経営者は徹底してエゴデトックスをしなければなりません。

 経営者の頭の中が一番のコストだと誰かが言っていましたが、私は「経営者のハート」が一番のコストだと思います。経営者のハートは、前提として、「世界中のすべての人々にとって価値のあるもの」でないといけない。説教的ですが、経験則に基づく私の理解です。

バリューとミッションとビジョン

 会社は、本質的に社会価値を創造する組織体です。そこに加わる要素が個人個人のミッションです。図2の横軸にあたるものです。ミッションは、自己の内面を見つめると降ってくる。「あなたはこれ、あなたはこれ」というふうに。

 ミッションは、誰もが授かるものです。そして、それは自分の内面に見つけるものです。この世界では、誰もが世界で唯一の「ピース」を担っていて、ほかの人の「ピース」とは重ならないのです。そうやって この世界という「ジグソーパズル」はできています。名目上は税理士だったり、弁護士だったりと重なるんだけど、究極的には重なりません。

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