2008.06.06
世界を変える会社の作り方~2~
山口 揚平
~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~ 会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。 私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。
現在の投資は、株価の上下を予測しその売買を通して利ざやを得ることを目的としています。それは誰かが得をすれば、誰かが損をするというゲームにすぎません。そんなゲームをやっているヒマは人生にはないはずです。
株価が上がろうか、サブプライムローン問題が起ころうがそんなことは関係無いわけです。「私はこの会社が好きだ」という思いが投資家の根底にあるとき、資本主義は温かみをもって機能しはじめるのです。
では、好きになるということはどういうことかというと、その答えにはまず「理解」があると思います。何を理解するのかというと、株価ではなく、企業そのものでしょう。だから私たちシェアーズは企業情報の流通を行うのです。
「意味の時代」に目指すべきもの
シェアーズは、現在、バリューマトリクスという銘柄分析システムを開発・提供していますが、私たちの当面の目標は、有価証券報告書を完全にビジュアライズすることです。
私たちはすべての会社の過去数十年にわたる詳細な財務データをもっています。それを持っている独立系の金融サービス企業は日本では私たちの会社だけです。
確かに今後、XBRL(財務諸表記述言語)とか出てきてデータの入手は容易になるでしょうが、入手できる財務データは限られています。それに残念なことに、世界の富は、情報格差が生み出すものだから、みんながXBRLを取れるようになるということは、財務情報の価値がなくなるということです。これが完全市場経済の鉄則です。
そうなるともっと深遠な企業を理解する情報が必要になってきます。そこに私たちの出番があるのではないかと思ってさらに深い企業分析データベースを構築しています。
儲けるとか儲けないとかいうよりは、企業カタログ、銘柄カルテを生成しています。忙しいサラリーマンでも、片手間のなかで企業の何かを理解し、投資ができるためのツールを多くの人に提供したいなという思いがあります。
そもそも、シェアーズで目指そうと思うのは、知識と情報を世界の多くの人たちと分かち合うことです。
私は大学時代の論文の一行に、「情報化社会の本質は、情報が価値を持たないということ」と書きました。私たちは情報ではなく、人々に具体的な意味を提供しなければならないということです。
情報ではなくて意味です。意味というのは、個性的で個別的なもの。人によって異なるもの。だからこそ面白いのです。
情報化社会の1980年代までは、インフラの時代でした。NTTやATTが活躍し、その成功のカギは巨額の資本投下やネットワーク構築力だったりしました。
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