10年商品を作る「BMR」(1)

2007.05.14

営業・マーケティング

10年商品を作る「BMR」(1)

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「BMR」とは、 Basic Marketing Relations の略です。 「BMR」は、味の素に在籍されていた山中正彦氏 (現法政大学キャリアデザイン学部教授)によって生み出された オリジナルな枠組み。

新製品を発想し、開発を進めていく上で有用な切り口を
示してくれる優れたフレームワークです。

私は、数年前に、「BMR」の存在をあるマーケティングの本で知りました。

以来、私は、商品開発だけでなく、マーケティング調査を行う際の
「仮説づくり」「設問出し」にも使える枠組みとして「BMR」を
活用させてもらってきてました。

実は、「BMR」の詳細はこれまで公表されていなかったのですが、
本日(07/05/14)、入門書が発刊されています。

10年商品を作るBMR」
(山中正彦監修、ドゥ・ハウス編、ドゥ・ハウス)

*残念ながら、一般書店では入手できません。
 アマゾンの「e託」を利用して販売されています。

私は、上記本の出版に当たり、ゲラ原稿のレビューに
参加していたこともあり、完成版をいち早くいただきました。

そこで、本日から何回かに分けて、本書を元に、

「BMR」

のポイントをご紹介したいと思います。

まず、「BMR」の出発点となる

「マーケティング」

の定義ですが、次のとおりです。

「消費者のウォンツと製品のベネフィットを結びつけること」

ここで、‘ベネフィット’は製品の‘価値’のことですので、
言い換えると、

「消費者の欲求と製品価値を結びつける」

のがマーケティングであると言えます。

そして、「消費者の欲求」と「製品の価値」を

「どうやって結びつけるか」

についての切り口を提供しているのが

「BMR」(Basic Marketing Relations)

なんですね。

さて、新商品開発のためのプランニングに使える枠組み
としては、次のようなものがよく知られていますよね。

・3C(Customer、Company、Competitor)
・4P(Product、Price、Place、Promotion)
・5フォーシズ(詳細略)
・バリューチェーン(詳細略)

上記はどれも有効なツールではありますが、
商品開発に重要な要素が‘漏れなく’カバーされている
わけではありません。

その点、「BMR」は、
メーカーの商品開発現場で実践的に生み出された枠組みですので、
商品開発に欠かせない要素が網羅されています。

このため、主に消費者を対象とする商品評価のための
アンケート調査等における「仮説立案」や「設問出し」にも、
大変便利な枠組みにもなるわけです。

えーと、今回は前振りだけですいません。
次回からBMRの具体的な内容について解説します。

お楽しみに!

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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