「BMR」(Basic Marketing Relations)は、 新製品を発想し、開発を進めていく上で有用な切り口を 示してくれる優れたフレームワーク。 *製品単体だけでなく、新規事業全体にも応用可能です。
BMRの全体像は、こちらで見ることができます。
この図を見ると、「消費者」と「製品」が左右にドンと
置かれていることがわかりますね。
この2つの要素がマーケティングの「主役」だからです。
さて、消費者の枠で重要なのは、次の3つの視点です。
(T) 特にどういう人達に対してか(Who→Target Consumer)
(O) どこで、いつ(Where、When→Occasion)
(W) 何を欲しているか(What→Wants)
一般消費者全体(General Consumer)の中から、
開発しようとしている製品のターゲットを明確化し、
彼らの製品を使用するシチュエーションや欲求を検討するという
ことです。
一方、製品の枠で重要なのは、次の2つの視点。
(B) 消費者になぜ購入してもらうのか(Why→Benefit)
(A) それをいかに具体化するかの製品属性(How→Attribute)
物理的な存在としての製品(Product)を発想する時、
ユーザーにとってどんな価値、便益を提供するかという視点と、
大きさや形状、重さ、機能、性能といった具体的な製品仕様と
して落とし込む視点の2つが必要だということですね。
そして、このBMRの全体像の中央では、消費者と製品が
(W)Wants:欲求と、(B)Benefit:便益
で結びつけられています。
これは、前回ご紹介したマーケティングの定義そのものです。
「消費者のウォンツと製品のベネフィットを結びつけること」
BMRの中心は、消費者のT、O、W、製品のB、Aですが、
これらと関連する要素がいくつかあります。
まず、消費者の行動に影響を与えるものとしての「環境」
(Environment)があります。
たとえば、景気後退期には購買意欲が減退しますよね。
あるいは、災害が頻発していると防災系製品に対する欲求が
高まったりします。
消費者に製品を届けるためには、「流通チャネル」
(Distributer)の整備や活用が欠かせません。
また、どんな製品を開発できるかには、企業の「研究開発」
(R&D:Research&Development)が大きくかかわっています。
そして、製品にはおおむね「競合」(Competitor)が
存在します。
では、改めてBMRの全要素を列記します。
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E(Environment):環境
G(General Consumer):生活者(一般消費者)
T(Target Consumer):ターゲット
O(Occasion):オケージョン
W(Wants):ウォンツ(欲求)
B(Benefit):ベネフィット(便益、価値)
A(Attribute):製品属性
P(Product):製品
R(R&D):技術(研究開発)
D(Distributor):流通チャネル
C(Competitor):競争企業
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10年商品を作る「BMR」
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。