今春大学を卒業した新入社員は、ゆとり教育がスタートした年に小学校に入学した若者たちです。いよいよ、ゆとり教育を謳歌した世代が社会に大量放出する時代を迎えました。
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新入社員意識調査をみると、「フリーター生活も悪くない」と考えている若者は年々減っており、2008年度は23.5%、調査開始以来最低です。
また、「条件の良い会社があれば、さっさと移る方が得だ」と考える若者も、2008年は23.4%と減少傾向にあり、こちらも調査開始以来最低となりました。
一生勤めたいと思うけど、さまざまな理由で3年で辞めてしまう。この矛盾は、少子化社会の中で大切に育てられた若者たちが、「理想と現実」あるいは「本音と建前」のギャップに対応する能力が低下していることを示すものだと思います。
新入社員意識調査では50.5%の若者が、「自分はコミュニケーションスキルがある」と答えています。確かに毎日数十通のメールを友達同士でやり取りする彼らは、(メール)コミュニケーションの達人揃いです。
しかし、アナログの対面コミュニケーションとなると事情が違うかもしれません。
仕事の悩みを相談する相手がいないことと、人に相談することに慣れていないことも定着率を下げる要因と考えられます。
社会に出たことのない自分が未熟なのは本人だって充分わかっています。未熟だから叱られることもあるのは分かっているけど、実際に叱られると想像以上のショックを受け、落ち込み方も尋常ではありません。
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下記のサイトに、昭和43年からの毎年の新入社員を象徴するネーミングが掲載されています。
http://www.greensun.jp/sinzin2004.html
じつに35年間の歴史です。さて、あなたが新人だった年は何と呼ばれていたでしょうか。
当初は現代コミュニケーションセンター所長の坂川山輝夫氏がネーミングをしていましたが、平成14年に止めてからは、社会経済生産性本部がネーミングを引き継いで今日に至っています。
同本部では今年の新入社員を「カーリング型」と命名しました。ネーミングの詳述は、
「新入社員は磨けば光るとばかりに、育成の方向を定め、そっと背中を押し、ブラシでこすりつつ、周りは働きやすい環境作りに腐心する。しかし、少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まってしまったりしかねない(以下省略)」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000857.html
昨年の「デイトレーダー型」より、さらに扱い難そうです。叱られても頑張れる新人もいれば、尋常じゃないくらい落ち込む新人もいるでしょう。まったく、どうしたらいいのか、わからなくなります。そもそも、すべての新人に最適な対応があるハズもありません。
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