調達購買部門の役割・機能は、この数年で急速に広がっています。 ところが、その役割の広がりに、評価の仕組みがまったく追いついていません。調達部門やバイヤーの評価は、いまだに未発達のままのようです。正直に言うと、調達の仕事は「評価されにくい仕事」と感じます。
定性的な評価であっても5段階評価にすれば、数値化は可能です。ダイレクトに定量評価できなくても代替的な指標の設定と継続的な測定を行えば、良くなっているのか、悪くなっているのか、も把握できるでしょう。
御存知な方が多いとは思いますが、日本の景気動向を判断する最も重要な経済指標の一つが日銀短観です。日銀短観の中でも注目されるのは、業況判断DI(ディフュージョン・インデックス)」です。これは、景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出されます。プラスの値になればなるほど、景気を「良い」と感じている企業の方が多い(好景気)ということです。とてもシンプルです。
このように何らかの数値指標や数値目標を上手く作ることも重要なポイントとなります。
とはいえ、「何でもいいから指標を増やせばいい」という話ではありません。ここで一度、根本に立ち返って考える必要があるでしょう。
そもそも、調達の顧客は誰でしょうか。経営・マネジメント、事業部門のユーザー、そしてサプライヤです。調達の機能は、この3者に価値を提供することで成り立っています。そうであれば、評価もこの3者を起点に設計すべきです。
具体的には、カスタマーサティスファクション(事業部門や経営・マネジメントからの評価)、サプライヤサティスファクション、サプライヤのエンゲージメント――この3つです。
これらの評価を数値化するためには、VoC(Voice of Customer)とVoS(Voice of Supplier)、は少なくとも定期的に調査するべきだと、私は考えています。
私は社会人生活を始めた時に、自動車会社で購買担当をしていました。その当時は、丁度バブル経済の真っ最中であり、買い手の立場はとても弱いものでした。サプライヤの能力以上の発注案件があり、毎日サプライヤに頼み込んで新規案件を受けてもらうという時代だったのです。
しかし、そういう時代でしたが、購入品の価格査定については、たいへん真面目に取り組んでいました。サプライヤの営業担当者さんとサンプル品を目の前にして、サプライヤさんの工程を見ながら、
見積書の記載内容を確認しつつ、時間をかけて価格決定を一点一点していました。
そういうことを背景にして、ある時期に特定の主力サプライヤから、値上げの要請が来たのです。昔からのバイヤーであれば理解できるでしょうが、値上げの決裁はその当時、とても難しく、値下げは課長決裁でしたが、値上げは副社長決裁でした。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。
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