調達購買部門の役割・機能は、この数年で急速に広がっています。 ところが、その役割の広がりに、評価の仕組みがまったく追いついていません。調達部門やバイヤーの評価は、いまだに未発達のままのようです。正直に言うと、調達の仕事は「評価されにくい仕事」と感じます。
調達購買部門の役割・機能は、この数年で急速に広がっています。
従来はQCD(品質・コスト・納期)の確保が中心的な役割でした。そこに、サステナビリティへの対応、サプライヤマネジメント、そして開発購買に代表されるユーザーマネジメントなど、求められる機能はどんどん広がっています。
ところが、その役割の広がりに、評価の仕組みがまったく追いついていません。調達部門やバイヤーの評価は、いまだに未発達のままのようです。正直に言うと、調達の仕事は「評価されにくい仕事」と感じます。
私がクライアント先や親しいバイヤーの方と会話するときに、よく耳にする言葉があります。
「頑張っているのに評価されない」
「調達は結局コストダウンだけで見られる」
これは決して大げさな話ではありません。多くの企業で、コストがこれ以上下がる状況ではないことは経営層も分かっているはずなのに、未だに「コスト削減額・削減率」だけで評価されているようです。
なぜでしょうか。
他の指標を設定するのが難しい、設定してもトラッキングができない。など、成果が見えにくいことや、結果が市況や為替のせいであり、他責である。こうしたことが理由として挙げられます。
しかし、このようなことを理由にしてはいけません。
たとえば、こんな2人のバイヤーがいたとします。
Aさんは、特に根拠もなく交渉した結果、たまたまコストが下がった。
Bさんは、コスト構造を分析し、適正価格を積み上げて交渉した結果、市況要因でコストは上がってしまった。
コスト削減効果だけを見れば、Aさんの評価が高くなります。しかし、どちらが優れたバイヤーで、どちらを評価すべきなのか、一目瞭然でしょう。
昨今の調達購買部門(人員)の価値は、「起こしたこと」と同じ位、「防いだこと」にあります。
価格値上げを妥当な範囲に抑える。サプライチェーンの寸断を防ぎ、生産や事業が止まらないようにする。サプライヤとの関係性が壊れないように、関係性を保持する。これらはすべて、調達・購買部門が「防いだリスク」であり、事業継続力への貢献と言えます。
ところが、「防いだこと」はなかなか評価されません。「何も起きなかった」ことは、成果ではなく「当たり前」として扱われてしまうからです。
同じように、優秀なサプライヤとの関係性の強化や保持といった価値も数字化されにくいという理由で、正当に評価されていないのが実情でしょう。
では、調達購買部門の評価はどうあるべきでしょうか。私は以前から、調達購買部門をコスト削減額(率)だけで評価する時代は終わったという話をしてきました。リスク指標、供給安定性、関係性価値――こうした指標を組み合わせ、「短期的な成果」と「構造的な貢献」を両立させる評価軸を持つことが求められます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。
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