BtoBマーケティングでは、デジタル活用と自社事業の相性問題が必ず発生する。その中でも比較的課題が根深いのが、「特定市場に向けたデジタルマーケティング」である。今回のコラムでは、特定市場におけるBtoBデジタルマーケティングの4つの展開案について考察する。
特定市場向けデジタルマーケティングの戦略立案・実行方法
では、具体的にどう戦略立案・実行すべきかの方向性を考えてみよう。重要なKPIを2つ設定したため、下記のような4象限に分類すれば、方向性が見えてくる。
方向性1「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が少ない」
「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が少ない」状況であれば、「1社あたりのリード人数」を増やすデジタルマーケティングを実施することが最優先だ。特に、意思決定権者の個人情報をどうすれば取得できるか?を考える必要がある。当然、戦略目標は、方向性2「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が多い」の状態に持っていくことである。
具体的な施策案としては、「社内セミナー」のような施策を展開すると1社あたりのリード人数を増大できる可能性がある。「社内セミナー」とは、社内の関係者であれば何名でも参加できるオンライン・リアル(訪問)のセミナーである。関係者が複数名参加することで、1社あたりのリード人数の増大に繋げることが可能だ。
方向性2「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が多い」
「リード化率が高く、1社あたりのリード人数が多い」状況であれば、これ以上の新規リード獲得は難しい。そのため、今保有しているリードリストから、いかに商談や案件を継続的に作り出すか?にデジタル活用の可能性を見出すしかない。
具体的な施策案としては、リードの課題調査を行い、解決策を提案するソリューション提案の継続であろう。受注まであと一歩のところまで来ているため、リードの課題調査(アンケートメールなど)を継続的に行い、商談創出を狙うとよい。
方向性3「リード化率が少なく、1社あたりのリード人数が少ない」
「リード化率が少なく、1社あたりのリード人数が少ない」状況であれば、リード化率の向上を優先しよう。ただ、特定市場であるため、デジタル活用による新規リード獲得ができるのかどうか?が大きな問題となる。検索市場を調査し、本当にデジタル活用でリード化率を高められるか、見極めてから実行するかどうか?を考えなければならない。
具体的な施策案としては、ロングテールワードでのSEO対策やリスティング広告で自社サイトに集客し、ホワイトペーパーを使ってコンバージョンを狙うといった方法が考えられる。もしくは、ホワイトペーパーとDMや電話営業などと連動させるのもありだ。例えば、ホワイトペーパーの資料請求を受け付けるDMを送付するなどである。こういった活動をコツコツ行い、リード化率を高めていく地道な施策の継続が重要になるだろう。
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株式会社ALUHA 代表取締役社長
BtoBマーケティングコンサルティングを展開。大手IT企業、製造業を中心に、伴走型コンサルティングを展開中。リソースを効率的に活用し、最小限の工数で効果を最大化するコンサルが得意