B2B、電子調達、調達購買改革の専門家。また調達・購買分野の日本国内での地位向上、バイヤーの育成支援等に数多くの活動を行う野町さん。昨今、「調達」「サプライチェーン」の重要性が非常に高まるなか、今企業に求められていることに関してお話しを伺いました。(聞き手:猪口真)
しかし、こういったやり方も結局はその場しのぎです。恒久的には、「いかにサプライヤーとの関係性を構築していくか」「サプライチェーンの柔軟性の確保」「供給不足や市況高騰を売価にいかに転嫁するか」の三つだと思います。
猪口 経営者も頭の中では分かっていても、今までサプライヤーに対して強気だったのでなかなかできないのかもしれませんね。そういう意味では良いチャンスですね。
野町 去年から今年にかけて、値上げができた企業に対する評価が高まっているそうです。値上げにも良い値上げと悪い値上げがあって、便乗はだめでも、やむを得ない値上げは仕方ありません。ですから、説得性を持って説明できることが重要なのですが、営業の方が説明できるわけがない。「原材料高騰により製品価格を○割アップさせていただきます」と出されても、それが正しいかどうか分かりませんから。説明責任を負って説明するためには、調達購買やサプライチェーンの人間のサポートが必要です。それができない企業は市場から理解を得られないということでしょう。
猪口 だからこそ同じ企業の中で売る側と調達側が連携して、お互いの共有が欠かせませんね。
野町 売る側と買う側だけでなく、技術や生産、経営企画などの全社での連携が非常に重要です。
猪口 「調達購買コンサルタント」というお仕事に今までお会いしたことがありませんでしたが、お話を聞くと、今のコロナ禍において非常にポイントとなるお仕事ですね。
野町 これは、今だけでなく、昔からもけっこうポイントだったと思います。2000年頃にテーマとして多かったのは、調達部署をどう組織化していくかです。そういった話からスタートして、その後はコスト削減の支援です。その後は、間接材と言われる経費や設備投資などの支出削減に企業が目を向け始めてきたので、そこでの集中購買化やコスト削減、システム導入の支援が増えていきました。そんなふうに徐々にやることが変わっています。人材育成が出てきたり、最近は、供給不足への対応や、それ以外でいくとDXなどです。
猪口 人材育成でも、どう育成するかという方向も変わりますよね。
野町 おっしゃるとおりです。2000年頃は、言葉は悪いかもしれませんが、調達部門は吹きだまりでした。シニアになった人たちを集めて、適当にやって、みたいな感じでした。2010年頃のリーマンショックの頃になって、ようやくこれは専門職だということで人材育成をし始めました。アメリカなんかは100年前からずっと専門職として扱われています。
猪口 「調達」のスキルは、ますます需要が高まりそうです。本日はどうもありがとうございました。
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