【インサイトナウ編集長対談】調達の機能と生産・サプライチェーンの機能が融合した構造改革が必要

2023.02.08

経営・マネジメント

【インサイトナウ編集長対談】調達の機能と生産・サプライチェーンの機能が融合した構造改革が必要

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

​B2B、電子調達、調達購買改革の専門家。また調達・購買分野の日本国内での地位向上、バイヤーの育成支援等に数多くの活動を行う野町さん。昨今、「調達」「サプライチェーン」の重要性が非常に高まるなか、今企業に求められていることに関してお話しを伺いました。(聞き手:猪口真)

猪口 いわゆるK字型回復、K字経済と言われていますが、上がっているところと下がっているところで、価格転嫁や、今までどれだけリスクマネジメントを行ってきたか、生産・調達の複線化をして共有できているかなど、その違いは非常に大きくなりそうですね。

野町 そう思います。あとは、サプライチェーンは、価格や効率だけではないというところに、いかに早く意識を転換できているかが重要だと思います。ある会社では、自分たちで在庫を持つと宣言し、倉庫や物流の手配、システムの導入を進めています。それだけ投資しても構造改革が必要だと捉えているわけです。そのようなケースも出てきています。

猪口 野町さんからご覧になって、日本の企業でここは進んでいる、大丈夫だという感触を持つ企業は多くありますか。

野町 コンサルですので、ベストプラクティスや事例はあるかとよく聞かれるのですが、例えば、供給不足への対応で、この企業は上手くいっている、というような事例は多くありません。好事例でよく出てくるのは海外の企業ばかりです。

猪口 その差は何なのでしょうか。

野町 やはり、経営サイドがサプライチェーンや生産、調達をまだ重視していないのだと思います。未だに「何とかしろ!」の世界です。原材料価格の高騰を製品やサービスの対価に転嫁することができていないのも同じ状況です。転嫁するためには、製品としての競争力がないとだめだし、それを顧客が理解し、納得してもらう必要があります。経営はそこをよく考えなければいけません。「何ともならない」時代ですから。

また、供給不足への対応は三つぐらいしか考えられません。一つは「在庫を持つ」。自社で持つか、もしくは長期発注というかたちでサプライヤーに持ってもらうかです。二つ目が「マルチ化」で、先ほどお話しした代替品の採用や生産の複線化、複数のサプライヤーを持つマルチソースや、マルチファブと言われる一つのサプライヤーに複数の工場で作らせるようなやり方です。三つ目は、サプライヤーにいかに有利に扱ってもらうかという「関係性づくり」です。この1番と2番と3番をミックスして、最善の策を講じていかなければなりません。難しいのは、品目やサプライヤーによって状況がそれぞれ違うことです。そこをしっかり把握して、サプライヤーが何を望んでいるか理解した上で、彼らが供給しやすいような関係性づくり、施策を打っていかなければならないのです。

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